2023.12.20
12月

令和5年(2023)12月24日「納めの地蔵」です。

■12月24日「納めの地蔵」です。■

納めの地蔵」とは、年の最後の地蔵尊縁日のこと。地蔵縁日は「4」の付く日に行われています。12月24日はその年最後の縁日として「納めの地蔵」と呼ばれています。ちなみに、年明け1月24日は一年で最初の地蔵の縁日で「初地蔵」と呼ばれ「納め地蔵」と共に親しまれています。

地蔵菩薩は、サンスクリット語で「クシティガルバ」で、「クシティ」は「大地」を、「ガルバ」は「胎蔵」「子宮」を意味することから「地蔵」とされています。地蔵菩薩を遡るとインド神話、バラモン教を通して仏教に取り入れられた「地母神(ちぼしん、じぼしん、プリティヴィー)」すなわち「地天(じてん)」です。

この「地天」に対して「梵天(ぼんてん)」があり、こちらは天を司るとされる「虚空蔵菩薩」です。本来は、地天の地蔵菩薩と梵天の虚空蔵菩薩は一対として存在しています。それまで日本で一般的に広まっていたのは「民間信仰」の田の神地蔵信仰だったので、そこに地蔵菩薩が深く結びついたと考えられています。

仏典の『地蔵十王経』によれば、地蔵菩薩は、閻魔大王の化身と言われ、釈迦入滅後、56億7千万年後に弥勒菩薩が現れるまでのあいだ、六道(地獄道・餓鬼道・阿修羅道・畜生道・人間道・天道)の一切衆生を救う菩薩とされています。もともと地獄信仰と地蔵菩薩とは別個のものでした。

ここで「地蔵菩薩」がもともと「地」を司ることから、農耕民族である日本人にとって民間信仰の「地霊・田の神」とほどなく融合して、地蔵信仰と地蔵菩薩が「お地蔵様」として伝えられています。

右手に錫杖、左手に宝珠をといった姿の地蔵から、僧侶をモチーフにした地蔵、童子の姿の地蔵など多岐にわたります。呼び方も時代と共に「地蔵菩薩」から親しみをこめて「お地蔵さま」へと変化しています。

東京巣鴨の「とげぬき地蔵尊」では、この日、一年間のお礼と来年への祈願を兼ねてお参りが行われ、地蔵菩薩を祀るお堂は多くの参詣者で切れ目がなく、とても賑わいます。参道の「巣鴨地蔵通り商店街」には、正月飾りなどを売る露店が立ち並びます。

とげぬき地蔵尊(萬頂山高岩寺)
◇東京都豊島区巣鴨3-35-2
◇JR山手線、地下鉄三田線「巣鴨駅」徒歩5分
◇都電荒川線「庚申塚駅」徒歩10分
◇公式サイト:https://togenuki.jp
◆巣鴨地蔵通り商店街:https://sugamo.or.jp

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