◆二十四節気◆令和7年(2025)7月22日「大暑(たいしょ)」です。◆
7月22日22時29分「大暑」です。旧暦6月、未(ひつじ)の月の中気で、天文学的には太陽が120度の点を通過するときをいいます。夏の季節の最後の節気で、「大暑」の期間は「夏の土用(なつのどよう)」にあたります。「土用」が明けると「立秋(りっしゅう)」になります。
「夏至(げし)」から約1ヶ月後、「梅雨明け」のこの時期、日照時間は日に日に短くなってきていますが、快晴の日が続いて暑くなります。強い日差しで大地は潤って蒸し暑くなり、時折「ゲリラ豪雨」が降ります。近年しばしば「雹(ひょう)」が降り、内陸部では「竜巻」が観測されています。
甚だしい暑さを「炎暑」「酷暑」、焼け付くような空を「炎天」、じっとしていても汗の吹き出る暑さを「油照り(あぶらでり)」などといい、微妙に異なる暑さを表現します。
夏の太陽が雨粒を輝かしながら降る雨を「白雨(はくう)」、また、突然の夕立が涼しさを運んできて「慈雨(じう)」となります。
地表の気温が上がって、「入道雲」が湧きはじめると、上昇気流が起こり、周囲から風が吹き込みます。特に海から陸に吹く風を「海風(うみかぜ)」、夕刻から夜にかけて吹く反対向きの風を「陸風(りくかぜ)」、この風の向きが入れ替わるときを「朝凪(あさなぎ)」「夕凪(ゆうなぎ)」といいます。
この時期、「桐(きり)」のつぼみが付き始め、「油蝉(あぶらぜみ)」がうるさく鳴き、「百日紅(さるすべり)」が紅色の見事な花を咲かせます。
◆◆「七十二侯」◆◆
◆初候「桐始結花」(きりはじめてはなをむすぶ)
◇桐の実が生り始める時節。
◆次候「土潤溽暑」(つちうるおいてあつし)
◇土が湿って蒸暑くなる時節。
◆末候「大雨時行」(たいうときにゆく)
◇時として大雨が降る時節。
◆◆「季節の花」◆◆
「蓮(はす)」睡蓮(すいれん)科 ハス属 「蓮」は「蜂巣(はちす)」の略で、実の入る花床にはたくさんの穴があいていて、蜂の巣に似ていることがその名の由縁です。原産はインド。アジアの多くの国の国花になっています。
夏の朝、水面まで花茎を伸ばして開花し、午後3時頃に閉じます。花の開閉を3回繰り返したのち4日目には花びらが散ります。泥中の根は「蓮根(レンコン)」です。また、花、葉、茎、種子も食用になります。
西方浄土「極楽」は神聖な「蓮の池」と信じられていることから寺の境内には蓮池を作ります。仏教の「蓮華(れんげ)」も同じで、仏像の台座にその形が用いられます。
※「大賀ハス(おおがはす)」:昭和26年(1951)岡山県出身の植物学者「大賀一郎(おおがいちろう」博士は、千葉市内の泥炭層(弥生時代の地層)から、3粒の「古代蓮(こだいはす)」の実を発見。翌年、うち1粒が発芽し開花に成功しました。その可憐な淡紅色の花が「大賀ハス」と名付けられたことは有名です。日本国内はもとより世界各地に分植され、博士の功績と生命の神秘を今に伝えています。
ほのぼのと舟押し出すや蓮の中ーー夏目漱石
久方の雨も降らぬか蓮葉(はちすば)にたまれる水の玉に似たる見むーー新田部皇子(万葉集)
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
早いもので「大暑」の次の二十四節気は葉月8月「立秋」です。今年もまた大雨により各地ですでに被害が出ています。先祖からの土地で、ここは安全だと思い込んでいる場所でも、土砂崩れや地すべりが起こることがあります。避難場所の確認など、もしもの時の備えを心がけましょう。用心に越したことはありません。
読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白