■11月8日「世界都市計画の日」です。■
アルゼンチンの都市計画家・都市計画学者カルロス・パオレーラが、世界都市計画機構設立の理想を掲げて昭和24年(1949)に提唱しました。日本では、都市計画協会が昭和40年(1965)から11月8日に講演会や集会を開いています。
都市計画(としけいかく: urban planning, city planning)とは、
・都市の健全な発展と秩序ある整備を図る
・劣悪な居住環境からくる国民の健康問題を守る
・都市景観を良くし、守る
などの必要から、土地利用のあり方、都市施設(道路・公園等)の整備、市街地開発について計画を策定し、その実現を図ることです。
日本では、古来から条坊制や都城制を基本とした都市計画の歴史があり、行政計画都市「国府」を始め、『平城京』『平安京』『長岡京』『藤原京』『恭仁京』などの計画都市が古くから存在しました。
▼平城京の都市計画▼
平城京は南北に長い長方形で、中央の朱雀大路を軸として右京と左京に分かれ、更に左京の傾斜地に外京(げきょう)が設けられています。
東西軸には一条から九条大路、南北軸には朱雀大路と左京一坊から四坊、右京一坊から四坊の大通りが設置された条坊制の都市計画です。
各大通りの間隔は約532m、大通りで囲まれた部分(坊)は、堀と築地(ついじ)によって区画され、更にその中を、東西・南北に3つの道で区切って町としました。
平京域は東西約4.3km(外京を含めて6.3km)、南北約4.7kmに及ぶ大きさを誇っています。
▼ルネサンスの理想都市
オスマンによって計画されたパリのシャンゼリゼ通りに代表されるように、前近代におけるヨーロッパの都市は城壁都市でした。ルネサンス期のイタリアでは、城壁を円形・正方形・星形など明快な幾何学的形態とし、放射状あるいはグリッド状に街路を築き、広場や記念的な建造物を配する都市が理想と考えられるようになりました。
これにはウィトルウィウスの建築書に見られる正八角形の都市案が影響を与えています。軍事上の機能とともに幾何学的な美しさを目指して実際に建設された例です。
また、古代ローマの広場(フォルム)に倣い、広場を回廊で囲む手法がしばしば用いられ、ヴェネツィアのサンマルコ広場などが代表例です。
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
ヨーロッパのように守るために「城壁」を築くという考え方とは対照的に、日本では水路を掘って「掘」を重ねて囲んで守るという方向に発展しました。
現代の都市計画は、交通手段や、災害対策、天災の際の避難所など公共施設が必要です。さらにゴミ問題や通学路の確保、交通渋滞など日本の都市計画には問題が多いようです。
季節の変わり目です。お体ご自愛専一の程
筆者敬白