■9月1日「二百十日」です。■
「二百十日(にひゃくとおか)」は、雑節のひとつで、立春から数えて210日目のこと。新暦で8月末から9月初旬にあたります。
この時期は稲の開花の時期にあたり、台風の襲来を警戒すべき日として、暦に記載されました。昔から「八朔(はっさく)」や「二百二十日(にひゃくはつか)」とともに「三大厄日」として恐れられてきました。
「厄日」とは、俗にいう「荒れ日」のことで、天候の悪い日の意です。台風が襲来すれば、稲は倒れて水に浸かったり、花が吹き飛ばされてしまい米が実らなくなります。農家にとっては凶作に見舞われる厄日とされます。
二百十日は徳川幕府の暦編纂係であった渋川春海が、品川の漁師から教わって作ったものだとか。
渋川春海は釣り好きで、二百十日の日にも品川の沖に舟を出そうとしました。その時、老漁師が海上の一点を指して「今日は立春から数えて210日目に当たるが、私の50年来の経験によると、このような日は午後から海は大荒れになる。だから釣りに出るのはよした方がいい」と言ったといいます。はたしてその日は大暴風雨になったそうです。
春海はこの気象現象を長らく研究し、貞享暦(1684)を編纂したときから記載したと伝わります。
この日、奈良の大和神社(おおやまとじんじゃ)で行なわれる「風鎮祭」、富山県八尾市で行なわれる「おわら風の盆」など、各地で「風鎮めの祭り」が行われます。
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
今年は特に残暑が厳しく、台風が次々と日本列島に接近しています。天気予報をこまめに確認しながら、家の周囲の安全などを確保してください。
9月になると風の被害を警告する暦が続き、台風が多く発生する時期です。残暑が続いて実感できませんが、ひと雨ごとに秋の気配が近づいてきます。そろそろ長袖の秋服を用意する時分です。
季節の変わり目です。皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白