■9月11日「東京、芝大神宮 しょうが市・だらだら祭り」です。■
伊勢神宮の御祭神「天照大神」「豊受大神」を主祭神として祀る「芝大神宮:しばだいじんぐう」は、寛弘2年(1005)の創建。一時期、准勅祭社とされた東京十社のうちの1社で、旧社格は府社。
武蔵国日比谷郷に鎮座していたことから「日比谷神明」(日比谷神明宮)、また、飯倉御厨(後の武蔵国飯倉庄)に鎮座していたことから、「飯倉神明」(飯倉神明宮)、さらに、芝の地に住民が居留して後「芝神明」(芝神明宮)と称されるに至りました。
鎌倉時代には源頼朝、江戸時代には徳川幕府の篤い信仰と保護下に置かれ、江戸の産土神として庶民の信仰を集め「関東のお伊勢さま」として崇敬されました。
相殿に源頼朝公、徳川家康公を祀り、末社には出雲社・大国主命(おおくにぬしのみこと)、三島社・事代主命(ことしろぬしのみこと)、金刀比羅社・大物主命(おおものぬしのみこと)、熊野社・伊弉冉命(いざなみのみこと)など、16社の祭神を合祀し、稲荷社も祀られています。
芝大神宮例大祭は、10日・宮出し奉仕から始まり、14日・狂言、15日・宵宮、16日・大祭祭儀・神輿渡御・伊勢音頭保存会行列・呈茶席・太鼓、17日・敬老祭・踊り大会・中国太極拳、18日・崇敬婦人部参拝式・清水詩吟会など、16~17日は縁日が行われます。
この祭は、関東のお伊勢さまとして全国から参拝者が集まり、開催期間が11日間にも渡ることから「芝神明のだらだら祭り」とも呼ばれます。
名物「しょうが市」は、御鎮座の頃の周辺は生姜畑だったことから境内や参道で盛んに販売されたのが始まりです。生姜には毒消し効果があります。江戸時代の軍学者・由井正雪(ゆいしょうせつ)が徳川幕府に謀叛を起こし、玉川上水に毒を流したその時、たまたま上水道の上流で老女が生姜を洗っていたために江戸は助かった、という伝説から、大変な人気になりました。
神社で授与される生妻は「御膳生姜」と呼ばれ、厄除け縁起物として人気があり、食せぱ風邪をひかないと言われています。また、芝大神宮は「め組の喧嘩」の舞台として知られます。
芝大神宮
◇東京都港区芝大門1-12-7
◇都営地下鉄三田線「御成門駅」
◇浅草線・大江戸線「大門駅」
◇JR山手線「浜松町駅」徒歩5分
◇公式Web:http://www.shibadaijingu.com/
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
芝大神宮例大祭、別称「だらだら祭り」での「しょうが市」は、これから秋が深まり風邪の引きやすい時期に備えて、生姜の持つ殺菌作用で、風邪の予防をしようといって神事です。秋雨前線による秋の長雨から、風邪を引く人が多くなると、示唆しているようです。
皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白