■9月19日 奥州水沢、駒形神社(こまがたじんじゃ)「例祭」です。■
陸中一宮「駒形神社(こまがたじんじゃ)」は、古く関東毛野(けの、けぬ)一族が崇敬の赤城の神を祀り、上野平野を支配していた上毛野国(かみつけののくに)と下毛野国(しもつけののくに)のうち、下毛野氏は「日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)」を創建し、勢力を北方に伸ばした上毛野氏が、焼石連峰(やけいしれんぽう)の駒ヶ岳山頂に「駒形大神(こまがたのおおかみ)」を祀ったのが始まりです。
陸奥国胆沢城を創建した征夷大将軍坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)の崇敬たいへん篤く、源頼義・義家父子の武運祈願が成就した事実を知るにつけ、奥州に栄華を築いた藤原四代(奥州藤原氏)の崇敬も篤くありました。分社は東北各県より関東に亘り、その数は百余社に及んでいます。
藩政期には、伊達仙台藩、南部盛岡藩の両藩に守護されました。約二十年毎に山頂の社殿が造り替えられ、両藩の藩境の起点として大切にされました。
明治4年(1871)国幣小社となり、水沢県庁近くの鹽竈神社(しおがまじんじゃ)の本殿が仮遥拝所とされ、明治7年(1874)社殿を改修、正式な遥拝所に。明治36年(1874)駒ヶ岳山頂より神霊が遷座されました。
御祭神は「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」「天常立尊(あめのとこたちのみこと)」「国狭立尊(くにのさたちのみこと)」「吾勝尊(あかつのみこと)」「置瀬尊(おきせのみこと)」「彦火尊(ひこほのみこと)」の六柱を祀り、総称して「駒形大神(こまがたのおおかみ)」と呼ばれます。
毎年9月19日、一年の加護の感謝とともに、陸奥国の繁栄と幸福、五穀豊穣、国土安泰、産業開発、交通安全を祈念する例祭が行われます。毎年5月3日と9月19日の年2回、本尊の御扉(みとびら)が開かれます。
駒形神社
◇岩手県奥州市水沢中上野町1-83(水沢公園内)
◇JR「水沢駅」徒歩10分
◇東北道「水沢IC」12分
◇公式サイト:https://komagata.iwate.jp
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
駒形神社の境内には、桜をはじめ多くの樹木があります。東隣の水沢公園とともにヒガン系の桜の名所として知られています。エドヒガン、ベニヒガン、シダレヒガンなど種類も多く、樹齢250~300年だそうです。「駒形神社及び水沢公園のヒガン系桜群」として岩手県の天然記念物に指定されています。