2024.09.07
9月

令和6年(2024)9月14~15日、10月12~13日「岸和田だんじり祭」です。

■9月14~15日、10月12~13日「岸和田だんじり祭」です。■

「岸和田だんじり祭」は、元禄16年(1703)岸和田藩3代藩主・岡部長泰(おかべながやす)公が京都伏見稲荷を城内三の丸に勧請し、米・麦・豆・粟・ヒエなどの五穀豊穣を祈願したのが始まりと伝わる約300年の歴史と伝統を誇るお祭りです。毎年9月と10月、岸和田城下などで行なわれます。

「地車(だんじり)」とは、白木造りの大きな山車のこと。忠臣蔵などの精緻な彫刻が施された山車は、揃いの法被姿の若者たちに曳かれ、お囃子連中を乗せて城下町を駆け回ります。行列の途中、他の山車に合うと、競い合いや衝突になることもあり「けんか祭り」「血祭り」とも呼ばれる所以です。

一番の見どころは、地車が辻々を勢いよく直角に曲がる「やりまわし」です。ブレーキの役目をする左右の前テコと、舵を取る後テコのタイミングが難しく、腕の見せどころです。「岸城神社(きしきじんじゃ)」に宮入するだんじりが「こなから坂」を一気に駆け上がり、城に向かって豪快な「やりまわし」を行う姿は圧巻です。
日が暮れると提灯を灯し、昼間の勢いとは逆にゆっくりと練り歩く雅やかな様子が魅力です。

地車が宮入りする「岸城神社(きしきじんじゃ)」は、南北朝時代に京都八坂神社を勧請し、五穀豊穣を祈願する神明社を築き、産土神(うぶすながみ)として祀ったのが始まりです。後に、岸和田城主が「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」を沼村より城内へ移し、八幡大神とともに祀り、「牛頭天王(ごずてんのう:素戔嗚尊)社」「八幡大菩薩社」と呼ばれ、篤く信仰されました。

寛永年間には城主・松平康重(まつだいらやすしげ)公が境内に春日社、愛宕社、菅原社を建立。寛永17年(1640)岡部宣勝(おかべのぶかつ)公が城主となり、万治4年(1661)社殿を修改築するに至って、本殿と拝殿は明治29年(1896)に旧岸和田藩民と氏子によって建てられました。

岸和田城「千亀利(ちぎり)城」と呼ばれたことに因んで、縁結びの神(ちぎりのかみ)としての参詣が多く、厄除け、安産の神としても信仰を集めます。平成23年(2011)には御鎮座650年祭が執り行われました。

岸城神社
◇大阪府岸和田市岸城町11-30
◇南海本線「岸和田駅」徒歩10分
◇南海本線「蛸地蔵駅」徒歩7分
◇公式サイト:https://www.kishikijinja.jp

◆「岸和田だんじり祭」公式サイト:https://www.city.kishiwada.osaka.jp/site/danjiri/

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

勇壮な祭りで知られる「岸和田だんじり祭」です。夏の終わりは「だんじり」というイメージもすっかり定着しています。公式サイトには曲がり角での見物に関する注意事項が出ていたりして、怪我人が出ないようにといった心配りが感じられます。
まだまだ残暑厳しい時期です。お出かけの際には、熱中症や不慮の事故にご注意下さい。
読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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