■9月12~18日「福岡、筥崎宮 放生会(ほうじょうや)」です。■
「放生会(ほうじょうえ、筥崎宮では「ほうじょうや」と読みます)」とは、仏教の戒律「殺生戒」を基に行われる殺生を戒める宗教儀式です。
日本では収穫祭や感謝祭の意味も合わせて、春と秋に全国の寺院や八幡社で行われます。
捕えた魚や貝、鳥や動物などを殺さずに川や池、山林に放ちます。インドでは釈迦存世の時から行われていたと伝わります。
天台宗の開祖「智顗(ちぎ)/天台大師・智者大師」は、漁民が雑魚を捨てている様子を見てそれを憐れみ、自分の持ち物を売って金に換え、魚を買い取って放生池に放したことが始まりとされ、法華経を最上の経典とする天台宗の寺院で行われる仏教儀式となりました。
神仏混淆の時代、放生会は神事でした。養老4年(720)宇佐神宮で行われたのが日本の放生会の始まりとされています。京都岩清水八幡宮でも行われる放生会は「岩清水祭」とも呼ばれ、9月15日に行われます。
なかでも「筥崎宮の放生会(ほうじょうや)」は、博多三大祭のひとつに数えられ、秋の行事として盛大に行われます。
筥崎宮(はこざきぐう)は、筥崎八幡宮とも呼ばれ、応神天皇を主祭神とし、神功皇后と玉依姫命を配祀する式内社で、日本三大八幡宮のひとつです。
7日7夜にわたり、さまざまな神事や行事が執り行われ、参道にはお化け屋敷や射的、ヨーヨー釣りなど約500軒もの露天が軒を重ね、のべ100万人の人が訪れます。
2年にいちど、西暦の奇数年には、氏子らにより御神幸(御神輿行列)が厳かに行われます。
筥崎宮
◇福岡市営地下鉄「箱崎宮前駅」徒歩3分
◇JR鹿児島本線「箱崎駅」徒歩8分
◇公式サイト:https://www.hakozakigu.or.jp
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
筥崎宮(箱崎宮)といえば、楼門の扁額に「敵國降伏」の文字が刻まれています。これは元寇の名残です。記録によると筥崎宮が元寇対策場所だったようです。
このような歴史を持つ筥崎宮が、殺生を戒める放生会を斎行しているところが、日本人の文化といえるでしょう。
そろそろ、日が沈むと肌寒さを感じるようになります。
夜風に吹かれて風邪など引かないよう、お体ご自愛専一の程
筆者敬白