■9月8日「旧地蔵ぼん」です。■
「地蔵盆」は、地蔵菩薩の縁日(24日)のことで、もともと「地蔵会(じぞうえ)」「地蔵祭(じぞうさい)」と呼ばれていましたが、24日は裏盆にあたることから、盂蘭盆に因んで地蔵盆と呼ばれるようになりました。旧暦で盂蘭盆行事をする地方では旧暦24日が地蔵盆になります。
地蔵盆は、寺の中に祀られている地蔵菩薩を対象とはしていません。道祖神信仰と結び付いた路傍や街角(辻)のお地蔵様が対象となっています。いつしか混交して同一視されるようになりました。
「地蔵菩薩」は中近世以降、子どもの守り神として信仰されてきました。地蔵菩薩は、親よりも先に亡くなった子どもが賽の河原(さいのかわら:親不孝の報いで苦を受ける場)で苦しんでいるのを救うという謂れがあります。
地蔵のある町内ではこの日、地蔵の像を洗い清め、新しい前垂れを着せ、化粧をするなどして飾り付け、地蔵の前に集って灯籠を立てたり、お供え物をして祀ります。子どもたちは供養の菓子や手料理などを振舞われます。お地蔵さん巡りをして、お接待を受けることも。僧による読経が行われるところもあります。
数珠繰り(じゅずくり)は、直径2~3mの大きな数珠を囲んで座り、僧侶の読経にあわせて順に回す儀式です。
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
関東地方のほか、北陸や東北では、旧暦8月13~16日にお盆の行事を行います。地蔵盆も旧暦で8月24日です。新興住宅地と旧家の重なっている地域では、7月盆と旧盆の8月盆が連続していて、僧侶の忙しい時期です。
お盆の時期に往生される方も多く、葬儀が連続することがあるそうです。「坊主丸儲け」などと悪口を言っていたら、知人の僧侶が、この時期「此岸」からのお迎えが多く、不安定な方はそのまま引かれてしまうと話してくれました。この時期しっかりとした気持ちで過ごしましょう。
残暑の厳しい時期です。体調を崩さないよう気をつけてお過ごしください。
読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白