■11月15日(旧10月8日)「炉開き」です。■
茶室では、春から半年間使った風炉を仕舞い、炉を開きます。「炉」とは、茶室の畳を切って床下に備え付けた茶用の小さな「いろり」のことです。使用されるのは11月から4月までとされています。
炉開きに合わせて、今年5月に摘まれた「新茶」を使い始めます。茶壷の口を切って使い始めるので「口切り」ともいいます。
炉を開いて新しい季節を迎え、新茶の入った壷を開けるこの時期を、お茶の世界では「茶人の正月」として祝います。昔は茶壷を床の間に飾り、お正月と同じように客を茶室に招き、新茶を味わい祝ったそうです。
一般には炉を開いて火を入れることをいい、囲炉裏などを使い始めることを炉開きといいます。
「炉開きや仏間に隣る四畳半」漱石
◆◆◆編集後記◆◆◆
日本にお茶のが伝わったのは、京都の「臨済宗建仁寺」を開いた「栄西禅師」が宋の国から持ち帰った苗が始まりだそうです。
建仁寺の勅使門には応仁の乱のときに放たれた弓矢の痕が残っています。
「炉開き」に際して悠久の歴史を垣間見てみるのも、心の余裕の一つかもしれません。
朝夕が冷え込む季節です。
お風邪などお召しにならない様お体ご自愛専一の程
筆者敬白