2025.10.15
10月

令和7年(2025)10月22日 京都三大奇祭「鞍馬の火祭(くらまのひまつり)」です。

■10月22日 京都三大奇祭「鞍馬の火祭(くらまのひまつり)」です。■

10月22日、昼間は平安神宮の大祭「時代祭(じだいまつり)」で賑わう京都。夜には、京都三大奇祭のひとつ「鞍馬の火祭」が行なわれます。京都市左京区鞍馬本町にある「由岐神社(ゆきじんじゃ)」の祭礼で、日本屈指の「火祭り」として有名です。

「由岐大明神(ゆきだいみょうじん)」は、はじめ宮中に祀られていましたが、天慶元年(938)に大地震が起き宮中を含む京都市街に大きな被害が発生し、さらに、天慶2年(939)の「平将門の乱(天慶の乱)」などが相次ぎ、世情不安が高まります。当時の「朱雀天皇(すざくてんのう)」の詔により、由岐大明神は、天慶3年(940)9月9日、京の鬼門にあたる御所の北方「鞍馬(くらま)」を守る「鞍馬寺(くらまでら)」の鎮守社として、天下泰平と万民幸福を祈念し遷宮されました。

遷宮の際、京の「鴨川」に生えていた葦(よし)で「松明」をつくり、沿道には「篝火(かがりび)」を焚き、神具を先頭に行列の長さ10町(1km)という国家的一大儀式をもって勧請が行なわれました。この儀式と由岐大明神の霊験を後世に伝えるため、守られてきたのが「火祭」の起源です。

「豊臣秀吉」の信仰篤く、慶長12年(1607)には「豊臣秀頼」が本殿と拝殿を再建。拝殿は、中央に通路をとった「割拝殿(わりはいでん)」という珍しい形式で、桃山時代の代表的建造物でもあります。国の重要文化財に指定。

10月22日午後6時、神事触れの「神事にまいらっしゃーれ」の合図で、各戸に積み重ねられた「篝(えじ)」が一斉に点火され、祭りが始まります。菊・桐・蝶・葵・鳳・百足・寺の鉾や鎧を着た武者が出揃い、山門前には大小の松明を担いだ若者が集合して一大壮観を呈します。やがて、合図の太鼓とともに青葉の精進竹に張った注連縄(しめなわ)を切る「注連切りの儀」が行なわれます。大松明は石段に殺到し、やがて1ヶ所に集めて焼き捨てられます。

その後、御輿の前で「神幸の儀」が行なわれ、「八所大明神(はっしょだいみょうじん)」「由岐大明神」の順に御輿が参道を下ります。山門を下ったところから御輿は車に乗せられ、鞍馬町を巡幸し御旅所に安置されます。神楽が奉納され、4本の大きな神楽松明が境内を廻ります。諸式の終了は午前0時頃。翌23日午前、「還幸祭」が執り行なわれ、「鞍馬の火祭」は終了します。

由岐神社
◇京都市左京区鞍馬本町1073番地
◇叡山電鉄鞍馬線「鞍馬駅」徒歩約10分
◇公式サイト:http://www.yukijinjya.jp

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

毎年、「季節のお便り」を書いていて、平安神宮の「時代祭」、「鞍馬の火祭」の頃になると、めっきり秋の深まりを感じ、北のほうからは雪の便りが聞こえてきます。
あっという間に夏が過ぎ、街頭には共同募金の赤い羽根をつけた方々を見かけるようになります。いつの間にか歳末が近づいています。

筆者敬白

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