■10月17~19日 靖国神社「秋季例大祭」です。■
「靖国神社(やすくにじんじゃ)」は、日本が関係した戦争において、朝廷や政府側で戦没した軍属らを含む軍人を祭神として祀る神社です。神社本庁には属していない東京都知事認証の単立神社(単立宗教法人)です。
明治2年(1869)「東京招魂社(とうきょうしょうこんしゃ)」として創建されましたが、明治10年(1877)の西南戦争をきっかけに「神社」として定まりました。
明治初期には多くの内乱が起こりました。その原因は徴兵令と地租改正条例にあるといわれています。そのなかで最も規模が大きく、最後の内乱となったのは、西郷隆盛(さいごうたかもり)率いる旧薩摩藩の士族達が起こした「西南戦争(西南の役)」です。
この内乱の原因になったのは「廃刀令(はいとうれい)」で、国民皆兵を原則とした徴兵令によって、軍人・武士としての士族達の特権が奪われてしまったためです。西郷隆盛らが鹿児島から熊本城へ向かった軍勢はおよそ1万5千。対し迎え撃つ新政府軍は6万8千余名にも及びました。
東京招魂社は、明治12年(1879)6月4日「別格官弊社」に加えられ、「靖国神社」と改称しました。西南戦争を経て、国家的統一を確かなものにするために命を落とした新政府の兵隊たちの霊を合祀したとき、招魂社は「国を靖(安)んずる場」、靖国神社へと変わっていたのです。それからちょうど10年後の明治22年(1889)の2月11日、「大日本帝国憲法」が発布されました。
靖国神社は、「吾以靖国也(吾以つて国を靖んずるなり)」を典拠として明治天皇が命名したものです。
◆秋季例大祭
最も重要な祭事とされる「例大祭」は、創立以来、年に2回、春と秋に斎行されています。「秋季例大祭」は、10月17日から19日までの3日間、盛大に執り行なわれます。期間中は、清祓・当日祭・第二日祭・直会(なおらい)の諸祭典があり、17日午後3時からの「清祓(きよはらい)」をもって始まります。「清祓」は祭典の準備を完了し、清めの祓いをする儀式です。
18日の「当日祭」は、全国から集った遺族・戦友・崇敬者をはじめ、各界代表者が多数参列のもと、午前10時、宮司以下の神職が御本殿に進み、生前に「みたま」たちがお召し上りになっていた「御饌神酒(みけみき)」、海の幸山の幸などの「神饌(しんせん、みけ)」をお供えし、楽を奏し、祝詞を奏上して、思いも新たに戦歿者の「みたま」を慰め、平和を祈念します。午前10時半過ぎには天皇陛下の「勅使」が参向し、陛下よりの「御幣物(ごへいもつ)」を献じ、「御祭文(ごさいもん)」が奏上されます。
19日、前日と同様に「第二日祭」が執り行なわれます。午後6時、祭典を無事奉仕できたことに感謝する「直会(なおらい)」をもって、秋季例大祭の諸祭典が終了します。
奉祝行事として献茶式、草鹿式(くさじししき)が行なわれるほか、境内では各種奉納芸能、献華展、菊花展などが催されます。
◆本殿への正式参拝受付時間
10月17日 午前8時~午後2時
10月18~19日 午前11時30分~午後2時30分
(秋季例大祭期間中の社頭参拝:午前6時~午後8時)
靖国神社
◇東京都千代田区九段北3丁目1番1号
◇JR「市ヶ谷」駅 徒歩10分
◇公式サイト:https://www.yasukuni.or.jp
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
靖国神社の秋季例大祭を迎えると、東京でも秋が深まったように感じます。
幕末から明治にかけて倒幕、新政府になった事は変えられない歴史です。例大祭を機に近代の歴史をひも解いてみましょう。
命を賭して、今の日本を作り上げた戦没者のためにも、将来のために今、何を為すべきか一寸立ち止まり、考えてみる時です。
時節柄お体ご自愛専一の程
筆者敬白