■10月14日「鉄道の日」です。■
明治5年(1872)10月14日、新橋~横浜間に日本で最初の鉄道が開通しました。大正11年(1922)、「鉄道記念日」と制定。昭和24年(1949)「日本国有鉄道(国鉄)」の記念日になり、一部民営化されたあとも「JRグループ」の記念日として祝っていました。平成6年(1994)運輸省(現・国土交通省)の提案で「鉄道の日」と改められ、すべての鉄道事業者が鉄道の発展を祝う全国的な記念日となりました。
日本初の鉄道が正式開業した明治5年(1872)10月14日、新橋駅で式典が催され、明治天皇と建設関係者を乗せた「お召し列車」が横浜駅まで往復運転しました。翌15日、営業運行が始まりました。このときの停車駅は、「新橋-品川-川崎-鶴見-神奈川-横浜」です。1日9往復。新橋-横浜間を53分で走りました。車輌はすべてイギリスから輸入されたもので、機関車を運転する機関士は外国人でした。
「東京駅」(東京中央停車場)が開業したのは、不況や日露戦争の影響で建設工事が延期された経緯があり、大正3年(1914)になりました。東京駅は、設計した建築家「辰野金吾(たつのきんご)」の代表作であり、日本建築史においてもきわめて重要な建築物です。日本の中心「東京」のランドマークにふさわしい印象的な外観の「赤レンガ駅舎」(丸の内口駅舎)は、平成15年(2003)国の重要文化財に指定されています。
「鉄道の日」には、鉄道が国民に広く愛され、その役割についての理解と関心がより深まることを願って、鉄道事業者、関係団体、国などが「鉄道の日」実行委員会を組織し、東京で「鉄道フェスティバル」が開催されるほか、毎年多彩な行事が全国各地で実施されます。
・日本鉄道賞:平成14年(2002)に創設された表彰制度です。鉄道に関する施設整備・サービス・映画・楽曲・アート・写真集・テレビ番組など、さまざまな取り組みのなかから優れた取り組みを表彰します。
・鉄道のある風景写真コンテスト:日本の四季折々の「鉄道のある風景」を題材にした写真を募集し、優秀な作品を選考します。
・交通総合文化展:公共財団法人「日本交通文化協会」が主催する展覧会で、日々の通勤や通学、旅行などに欠かせない公共交通機関や日本の良さ・魅力をテーマに写真と俳句の作品を募集選考し、優秀な作品には賞金などが贈られます。
◆「『鉄道の日』について」(国土交通省):https://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_tk1_000004.html
◆「交通総合文化展」(日本交通文化協会):https://jptca.org/exhibition/
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
最近では「鉄子」「鉄男」「乗り鉄」「ママ鉄」「撮り鉄」など造語も増えてきて、それらが辞書に載る時代。ストライキをしていた国鉄時代とは大きく変化したと感じています。
ちなみに日本で初めて発売された「駅弁」は、明治18年(1885)上野-宇都宮間の新線開通時に宇都宮駅で売られた握り飯と沢庵(値段は5銭)だったそうです。鉄道ファンならずとも、各地の味を楽しめる駅弁は「鉄道の旅」の大きな魅力のひとつです。
筆者敬白