■10月4~6日 福島「二本松の提灯祭り」です。■
「二本松の提灯祭り(にほんまつのちょうちんまつり)」は、福島県二本松市にある「二本松神社(にほんまつじんじゃ)」の例大祭です。「秋田竿燈(あきたかんとう)まつり」「尾張津島天王祭(おわりつしまてんのうまつり))とともに日本三大提灯祭りのひとつに数えられています。福島県重要無形民俗文化財に指定。
「二本松神社」の創建は久安年間(1145~1151)とされ、二本松市塩原の田地ヶ岡(でんじがおか)に館を築いた地頭の「足立盛長(あだちもりなが)」が熊野大神(くまののおおかみ)を祀ったのが始まりとされています。
その後、応永21年(1414)奥州探題「畠山満泰(はたけやまみつやす)」が城郭を「白旗が峰(しらはたがみね)」に築くとともに遷座。「八幡大神(はちまんおおかみ、はちまんだいじん)」を勧請して合わせて祀り、二本松の総鎮守として篤く敬いました。
寛永20年(1643)織田信長の重臣「丹羽長重(にわながしげ)」の子「丹羽光重(にわみつしげ)」が、二本松城主として入城しました。光重は丹羽家の守護神である「八幡宮」を左に、領民の守護神「熊野宮」を右に、2柱を祀る「御両社(ごりょうしゃ)」として「栗ヶ柵(くりがさく)」の地に遷宮し、今に至ります。
◆二本松の提灯祭り
八幡宮と熊野宮の御両社を栗ヶ柵へ移す際、丹羽光重は「よい政治を行なうためには、領民にまず敬神の意を高揚させること」という「敬神愛民」の精神から、領民が誰でも自由に参拝できるようにしました。神社の祭礼を地元の人びとが行なったのが「提燈祭り」の始まりと伝わります。
「二本松の提灯祭り」は、毎年10月第1土・日・月曜日に開催されます。いちばんの見どころは、土曜日の「宵祭り」。まず、二本松神社で神様から火をいただく儀式「御神火祭」が厳かに行なわれます。拝殿の明かりをすべて消し、神輿に御霊代を移し、拝殿前の「篝火(かがりび)」へ火を移します。そこから7町の走者が御神火を「松明(たいまつ)」に頂戴し、太鼓台まで運びます。
7台の太鼓台はそれぞれ300個余の提灯を鈴なりに飾り、いただいた御神火を提灯に移し、威勢のいい若連の掛け声とお囃子を奏しながら、市内を勇壮に練り歩きます。
日曜日の「本祭り」では、例大祭のもっとも重要な行事「神輿渡御」が行なわれます。月曜日の「後祭り」では、4町と3町のふた手に分かれて「合同引き廻し」が行なわれます。
◇二本松神社
◇福島県二本松市本町1-61
◇JR「二本松駅」徒歩5分
◇東北自動車道「二本松IC」約5分
◇公式サイト:https://nihonmatsu-shrine.com
◆二本松の提灯祭り(二本松市観光連盟):https://www.nihonmatsu-kanko.jp/?p=1473
◆「二本松の提灯祭り」(二本松市):https://www.city.nihonmatsu.lg.jp/kankou/matsuri/cyochin/page000417.html
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
太鼓台に取り付けられる提灯は、すべて二本松市内の提灯屋で作られているとのこと。上り坂などで激しく揺れると、提灯が燃えてしまうこともあるそうです。
太鼓台1台当たり使われるローソクは、ひと晩でなんと1,500本。御神火を実際に燃やして灯すことから祭りの勇壮が生まれるのかもしれません、二本松の人びとの心意気を感じます。
筆者敬白