■11月23日「熊本、八代妙見祭」です。■
「八代神社:やつしろじんじゃ」の祭神は「天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)妙見菩薩」です。
後鳥羽天皇の勅願により文治2年(1186)八代平野に「妙見宮」が創建されました。「妙見縁起」には、むかし漢土の白木山神が目深・手長・足早となり、明州の津より亀蛇(きだ)に駕して天武朝の白鳳九年に来朝し、八代郡土北郷白木山八千把村の竹原の津に着岸、三年仮座、次いで益城郡小熊野郷千代松ヵ峰に移り、そして八代郡横嶽(上宮)に鎮座したとあります。
明治4年に「八代神社」に改称。現在の建物は、元禄12年(1699)と寛延2年(1749)に改築されたもので、社殿は県指定の重要文化財。入母屋造り(いりもやづくり)の屋根の正面には千鳥破風(ちどりはふ)が設けられ、これらの妻飾り(つまかざり)には数多くの彫刻が使用され、江戸時代中期から後期にかけての社寺建築の特徴をよくあらわしています。
「妙見信仰」とは、北極星あるいは北斗七星を崇拝する信仰で、妙見信仰を持つ文化集団が、中国大陸から永住の地を求めて八代に上陸したと歴史書に記されています。「北極星」あるいは「北斗七星」は、天の中心の星であり「天帝の星」とも。四神の一つ「玄武」は北の守護神で、北は水を意味し、北斗七星も柄杓の形をした司水の神さまでもあります。
11月中旬に行われる祭礼「妙見祭」は、九州三大祭りの1つに数えられています。神輿渡御式の際に約5mの亀蛇が首を振りながら道を清めて歩くことで有名です。神幸行列には、奴・神輿・笠鉾・獅子舞などを伴って行列し、最後に飾り馬・神馬が駆けます。獅子舞は中国色の強い珍しいもの。神事の神幸行列は、県の無形民族文化財に指定されています。
八代神社
◇熊本県八代市妙見町405
◇JR「八代駅」バス10分
◇九州自動車道「八代IC」5分
◇八代妙見祭:
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
妙見信仰は一種独特の信仰で仏教にも古神道にも数多く影響を与えているようです。修験道や山岳信仰、役行者、密教、日蓮宗などに影響を残しているようです。「四神相応図」によると北は玄武の守護で色は黒、水を司るとされています。九星では水気(一白水星)の人の守護です。
発祥はともかく九州三大祭りに数えられています。祭礼の行列は中国のイメージが強く文化伝来の経路を現しているようです。
日が沈むとめっきり寒くなります。お出掛けの際には、お風邪など引かないように一枚余分にお召し下さい。
時節柄お体ご自愛専一の程
筆者敬白