■11月8日「京都、空也堂開山忌」です。■
「空也堂:くうやどう」とは、空也堂開山忌と号する天台宗の寺院で、「空也」を本尊とするため空也堂と呼ばれます。天慶2年(939)空也上人の開創と伝わり、当初は、三条櫛笥にあったので「櫛笥道場」とも、「市中道場」とも呼ばれました。
平安中期の念仏僧「空也」は、鐘を叩き念仏を唱えて全国を行脚し、仏教の庶民層への布教に尽力する傍ら、橋を架け、道路や井戸を整備し、野にある死骸を火葬して荼毘に付すなど社会事業も行いました。空也は「市聖(いちのひじり)阿弥陀聖」とも称され、後の「一遍」をはじめとする布教僧等に大きな影響を与えました。
市中に疫病が流行したとき、自ら「十一面観音像」(六波羅密寺の本尊・重要文化財)を拝み、それを車に乗せて洛中を引き、薬湯の茶を病人に与えて病人を救ったと伝わります。これが「王服茶笑」の起こり。
毎年11月第2日曜日、空也上人を偲んで開山忌(空也忌)の法要が営まれます。王服(おうぶく)茶の献茶式の後、空也僧による「歓喜踊躍(かんぎゆやく)念仏」と「六斎(ろくさい)念仏焼香式」が奉修されます。「京都の六斎念仏」は、重要無形民俗文化財に指定されています。
空也堂
◇京都府京都市中京区蛸薬師通堀川西入る
◇市バス「堀川蛸薬師」停留所・徒歩3分
◇参考:http://everkyoto.web.fc2.com/report241.html
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
空也といえば、辻説法と踊念仏です。歓喜踊躍念仏踊、六斎念仏踊など有名です。開山忌に参加してみると楽しい雰囲気の踊念仏、焼香式になります。影響を受けた一遍聖人が、各地を回って辻説法に道徳的規範を教えながら、橋や道路を作るのに行脚した気持ちがわかります。人が喜ぶことに尽力できることは、尊いことなのでしょう。
季節の変わり目です。お体ご自愛専一の程
筆者敬白