■11月17日「将棋の日」です。■

江戸時代、歴代将軍のなかで家康と並ぶ将棋好きの徳川吉宗は、毎年11月17日（旧暦）を「お城将棋の日」として、御前対局を実施していました。昭和50年（1975）日本将棋連盟は11月17日（新暦）を「将棋の日」と定めました。

将棋の起源はインドです。将棋のルーツ「チャトランガ」が生まれ、後に西方で「チェス」、東方では中国の「象棋（シャンチー）」、日本の「将棋」などに変化していきました。

平安時代、囲碁・双六・将棋は「三盤」といって貴族の嗜みとされていました。江戸時代初期、徳川家康が将棋と囲碁を好み、このふたつを保護したことから大いに隆盛しました。双六は保護を受けなかったために埋没し、江戸時代末期にはルールを知る人すら少なくなってしまいました。

歴代の将軍は、しばしば「御城将棋（おしろしょうぎ）」「御城碁（おしろご）」を催しました。当時は「持ち時間」という考え方がなかったので、対局が時間内に終了しないこともしばしば。そこで事前に半分ほど対局者同士が別の場所で指しておき、続きをお城で指すかたちで行われるようになりました。ところが、それでも時間内に終了しないケースが続いたため、完全に勝負がつくまで事前に差しておき、それをそのまま再現するだけになってしまいました。

対局者には、大名と同レベルの料理が出され歓待されました。「家元」は、血筋とは無関係に優秀な人材を発掘し、最も優秀な弟子に家督を譲りレベルを維持しました。養子縁組も武家の養子縁組同様、厳しい審査と手続きを要したとあります。

きわめて卓越した実力を持つ人は「名人」の称号を与えられます。現在では最高位に君臨する人の称号とされ、名人への挑戦は「順位戦」でトップに立った棋士が挑戦する方式になっています。5期名人を務めた棋士は「永世名人」の資格を取得します。

「将棋の日」にちなみ、この日を中心に公開対局などのイベントが全国各地で開催されます。

◇日本将棋連盟：https://www.shogi.or.jp

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

囲碁将棋は祖父から孫にと家庭内で受け継がれてきましたが、核家族化や塾通い、ゲームの普及で若年層の愛好者がめっきり減ったとの事です。
令和5年（2023）10月、藤井聡太プロが史上初の八冠を制覇し、将棋ブームを牽引しています。徳川時代と同じように、ブームの今こそ囲碁将棋を保護普及しなければならないのかもしれません。
筆者敬白