2024.11.03
11月

令和6年(2024)11月10~17日 島根、出雲大社「神迎祭・神在祭(かみむかえさい・かみありさい)」

■11月10~17日 島根、出雲大社「神迎祭・神在祭(かみむかえさい・かみありさい)」■

八雲立つ出雲の国が神の国、神話の国として知られる出雲大社の御祭神「大国主大神(おおくにぬしのおおかみ=だいこくさま)」「所造天下大神(あめのしたつくらししおおかみ)」と呼ばれます。

旧暦10月、一般では「神無月(かんなづき)」ですが、出雲では「神在月(かみありづき)」と称します。この時期、全国の村々里々に鎮まる神々が、年にいちど、大国主大神のもとに集まり、諸々のご縁についての会議「神議り(かむはかり)」が行なわれます。

日本の国を国づくりした大国主大神は、その国土を皇室の御祖先神である天照大御神に「国譲り(くにゆずり)」しました。そして、目に見える世界である「現世(うつしよ)」は天照大御神が、目に見えない世界である「幽世(かくりょ=神々の世界・霊魂の界)」は大国主大神が治めることになりました。

大国主大神は幽世にて「幽(かく)れたる神事」を司り、目に見えない様々な「ご縁」を結ぶ大神として、八百万の神々と共に話し合い(神議り)をするのです。

大国主大神といえば「縁結びの神さま」「縁結び」とは単に男女の仲を結ぶことだけでなく、人間が立派に成長するよう、社会が明るく楽しいものであるよう、すべてのものが幸福であるようにと、お互いの生成のためのつながりが結ばれることです。

「むすび」の御神徳とは、子どもの幸福を願って教導保護する親のように、大国主大神が私たち人間の幸福の縁を結んで下さること。この神在月にお参りし、命(いのち)を結ばれ生かされること感謝の祈りを捧げ、一層の幸縁をお祈りし、幸縁を授かろうと全国から大勢の参拝者が訪れます。

◆神迎祭・神在祭

出雲大社西方1kmにある「稲佐の浜」において「神迎神事(かみむかえしんじ)」が執り行われます。神事の後、到着された神々は御使神「龍蛇神(りゅうじゃじん)」を先導として出雲大社まで神幸されます。神楽殿にて奉迎の「神迎祭(かみむかえさい)」が行なわれます。

全国の神々が出雲に滞在中、「神在祭(かみありさい)」が行われます。出雲大社の摂社「上宮(かみのみや)」で、縁結びや来年の収穫などについて神議りが行われます。「十九社(じゅうくしゃ)」でも連日お祭りが行われます。
このお祭りは一般の人は参列できません。神々に粗相があってはならないと、土地の人はひたすら静粛を保って過ごすため「御忌祭(おいみさい)」とも呼ばれています。

期間中、「縁結大祭(えんむすびたいさい)」「夜神楽祈祷」も行なわれ、これには一般の人も参列できます。

出雲大社
◇島根県出雲市大社町杵築東195
◇一畑電車「出雲大社前駅」徒歩7分
◇JR山陰本線「出雲市駅」バス25分
公式サイト:https://izumooyashiro.or.jp

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

説明するまでもない旧暦「神在月」の出雲大社の神在祭・神迎祭です。
世知辛い昨今、カレンダーに書かれてあることに注意を払う人もめっきり少なくなり、月の謂れなども興味を示されなくなりました。暦に隠された、日本誕生秘話の片鱗を知ることも、心のゆとりを持つひとつです。

筆者敬白

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