■11月3日「明治神宮 例祭」です。■
明治天皇(めいじてんのう)と昭憲皇太后(しょうけんこうたいごう)を祭神とする「明治神宮(めいじじんぐう)」は、明治45年(1912)7月30日明治天皇崩御、大正3年(1914)4月11日には昭憲皇太后が崩御の後、その遺徳を偲ぶ国民から、御神霊をお祀りして御聖徳を永遠に敬い、お慕いしたいとの願いから創建されました。
明治天皇が「うつせみの代々木の里はしづかにて都のほかのここちこそすれ」と詠んだ代々木の南豊島世伝御料地を境内地として、大正9年(1920)11月1日、御鎮座となりました。
内苑・外苑一帯にわたって鬱蒼と茂る緑の森は、神宮御鎮座にあたり日本各地や朝鮮半島、台湾などから献木されたおよそ10万本、365種の人工林で面積は70万平方m。全国青年団による勤労奉仕により植樹が行われました。
昭和20年(1945)空襲によって社殿のほとんどが焼失しましたが、昭和33年(1958)に再建されました。大東亜戦争後は、宗教法人神社本庁の被包括宗教法人となり別表神社に指定され、その後、平成16年(2004)神社本庁との包括関係を解消して単立神社となっています。
三間社流造(さんげんしゃながれづくり)の「本殿」を中心に、厄除・七五三などの祈願を行う「神楽殿(かぐらでん)」、明治時代の宮廷文化を偲ぶ御祭神ゆかりの御物を陳列する「宝物殿(ほうもつでん)」、御祭神の大御心を通じて健全なる日本精神を育成する総合武道場「至誠館(しせいかん)」。さらに、加藤清正(かとうきよまさ)が掘ったと伝わる名湧水「清正井(きよまさのいど)」や、明治天皇のおぼしめしにより昭憲皇太后のために植えられた「菖蒲田(しょうぶだ)」など、多くの見どころがあります。
初詣では、正月三が日に300万人にのぼる日本一の参拝者を集めます。
◆清正井(きよまさのいど)
加藤清正(かとうきよまさ)が掘ったと伝えられる、都内でも有数の湧水。毎分平均60リットルの水量があり、水温は四季を通じて15度前後と一定し、一年中水が絶えることがない。昭和に入って調査が行なわれ、本殿西側一帯の地下水を水源とする自然の湧き水であることがわかった。
以前は、人影もまばらで、湧水がこんこんと湧き出る風情のある井戸だったが、テレビの情報番組などでパワースポットとして取り上げられて以来、多くの人が訪れるようになった。
◆明治神宮御苑(菖蒲田、清正の井など):https://www.meijijingu.or.jp/midokoro/gyoen/
◆秋の大祭
11月1~3日、「秋の大祭」が行なわれます。1日に「鎮座記念祭」、そして、3日には「例祭」が執り行われます。明治神宮で最も重要な祭儀で、明治天皇御生誕を慶祝する祭典であり、宮中より勅使(天皇陛下のお遣い)が差遣(さけん)される「勅祭(ちょくさい)」です。
秋の大祭では、さまざまなの奉祝行事が行なわれます。御社殿前に設えた神前舞台では、能、狂言、三曲(さんきょく:三味線・箏・尺八などの合奏)、日本舞踊といった伝統芸能が奉納されます。
西参道沿いの芝地では、馬上から矢を射る「流鏑馬(やぶさめ)」、合気道の演武、古武道大会が行なわれ、外拝殿では「薩摩琵琶(さつまびわ)」が献奏されます。
明治神宮
◇東京都渋谷区代々木神園町1-1
◇JR山手線「原宿駅」地下鉄千代田線「明治神宮駅」徒歩1分
◇東京メトロ副都心線「北参道駅」徒歩5分
◇公式サイト:https://www.meijijingu.or.jp
◆「秋の大祭」(明治神宮):https://www.meijijingu.or.jp/taisai/
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
正参道では、大輪の菊が咲き競う「菊花展」が開かれます。どなたでもご覧になれます。秋の爽やかな一日、ご家族やお知り合い皆さまでお楽しみ下さい。
筆者敬白