■11月30日~12月7日 岡山、最上稲荷「お火たき大祭」です。■
日本三大稲荷のひとつ「最上稲荷(さいじょういなり)」。正式名称は「最上稲荷山妙教寺(さいじょういなりさん みょうきょうじ)」です。
明治の神仏分離令の際に、神仏習合の祭祀形態が許された寺で、神宮形式の本殿には本尊の「最上位経王大菩薩」を祀ります。最上位経王大菩薩(最上さま)は、白い狐にまたがり、左手に稲穂、右手に鎌を持つ姿をしています。
天平勝宝4年(752)報恩大師〔※〕に孝謙天皇〔※〕の病気平癒の勅命が下り、龍王山(りゅうおうざん)中腹の八畳岩で祈願を行いました。
すると白狐に乗った本尊の最上位経王大菩薩が八畳岩に降臨。大師はその尊影を刻み祈願を続け、無事快癒されたと伝わります。その後延暦4年(785)年、桓武天皇〔※〕ご病気の際にも、大師の祈願により快癒。
これを喜ばれた天皇の命により、現在の地に「龍王山神宮寺(じんぐうじ)」を建立、繁栄しました。五穀豊穣、商売繁盛、開運など様々な御利益をもたらす神さまとして人々の信仰を集めます。
◆お火たき大祭(おひたきたいさい)
「お火たき大祭」は、一年間、家内安全など家族を守り諸願を叶えた御札を焚き上げます。護摩壇(ごまだん)で燃えさかる炎にあたると一年を無病息災で過ごせると伝わります。この日は特別に「火難除札」が授与されます。両日で約2万人の参拝者が訪れます。
〔※〕報恩大師(ほうおんだいし) ? – 795。岡山県出身とも奈良県出身とも言われている奈良時代に活躍した高僧。備前・備中には報恩大師にまつわる縁起が伝わる寺院が多く、備前の古刹・金山寺(きんぜんじ)をはじめ備前四十八ヶ寺の開基とされる半ば伝説的な僧。
〔※〕孝謙天皇(こうけんてんのう) 養老2年(718)- 神護景雲4年(770)。第46代天皇、第48代天皇。重祚(ちょうそ、退位した君主が再び君主になること)して、称徳天皇(しょうとくてんのう)。聖武天皇の第2皇女。母は藤原氏出身で史上初の人臣から皇后となった光明皇后(光明子)。生前に「宝字称徳孝謙皇帝」の尊号が贈られている。『続日本紀』では終始「高野天皇」と呼ばれており、「高野姫天皇」「倭根子天皇(やまとねこのすめらみこと)」とも称された。史上6人目の女性天皇で、天武系からの最後の天皇である。
〔※〕桓武天皇(かんむてんのう) 天平9年(737)- 延暦25年(806)。第50代天皇。諱は山部(やまのべ / やまべ)。平城京から長岡京および平安京への遷都を行った。践祚(せんそ、天子の位を受け継ぐこと)から日を隔てて即位した初めての天皇。桓武平氏の始祖となる。
最上稲荷(最上稲荷山妙教寺)
◇岡山県岡山市北区高松稲荷712
◇JR「岡山駅」からシャトルバス30分
◇JR桃太郎線「備中高松駅」タクシー5分
◇岡山自動車道「岡山総社IC」から約5km
◇公式サイト:https://inari.ne.jp