2023.11.21
11月

令和5年(2023)11月25日 防府天満宮 御神幸祭「裸坊祭」(ほうふてんまんぐう ごじんこうさい「はだかぼうまつり」)です。

■11月25日 防府天満宮「御神幸祭(裸坊祭)」です。■

防府天満宮(ほうふてんまんぐう)」は、学問の神様「菅原道真(すがわらのみちざね)」を祀ります。道真が亡くなった翌年の延喜2年(904)に出来た日本でも古い天満宮です。

御祭神は
「菅原道真公(すがわらのみちざねこう)」
「天穂日命(あめのほひのみこと、天照大御神の御子)」
「武夷鳥命(たけひなどりのみこと、天穂日命の御子)」
「野見宿禰(のみのすくね、土師氏の祖)」

かつては「松崎天満宮」「宮市天満宮」と称しました。明治6年(1873)近代社格制度のもとで県社に列格し「松崎神社」と改称。昭和28年(1953)に「防府天満宮」と再び改称しました。

山口の「防府天満宮」、京都の「北野天満宮」、福岡の「太宰府天満宮」が「三天神」と言われますが、これは道真が宮中での権力争いで失墜し、九州の太宰府に流されていく道筋での宿泊地だったと伝わります。

例年11月第4土曜日、御神幸祭(ごじんこうさい)が行なわれます。御神幸祭は、菅公が立寄りの際、送迎をしたことに起因してその儀式を今に伝えるものです。御旅所はその際の遺跡で、浜殿奉行という役が当時の饗応になぞらえ、供膳の儀を奉仕します。

もともと大行司・小行司や限られた家柄の者だけに奉仕が許されましたが、江戸時代後期の天神信仰の高まりと共に、一般民衆も奉仕を熱望するようになり、「身の潔白を示す」ことで供奉を許されるようになりました。人々は潔白の証として佐波川(さばがわ)の冷水で身を清め、そのままの姿で奉仕しました。その姿から「裸坊(はだかぼう)」と呼ばれるようになり、御神幸祭は「裸坊祭(はだかぼうまつり)」とも呼ばれるようになったのです。
寒中水垢離(みずごり)を落とし裸体となり、わずかに白木綿を身にまとって供奉する人が年々増えたことで、勇壮な祭典として広く全国に知られるようになりました。近年は裸坊は白シャツ等を用いて白装します。

防府天満宮
◇山口県防府市松崎町14-1
◇JR「防府駅」徒歩約15分
◇「防府駅」より「阿弥陀寺」行バス「防府天満宮」下車 徒歩3分
◇山陽自動車道「防府東IC」「防府西IC」約10分
◇公式サイト:https://www.hofutenmangu.com

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

菅原道真を現代風に談じると、出世争いに敗れ地方左遷の憂き目に遭った際、崇敬する志のある人々に乞われて逗留し、文化の基礎を伝授した功績が称えられ天満宮が造られた、といったところでしょうか。
今も昔も組織の理屈は変わっていないようです。それにしても今の世に史実を伝える天満宮、歴史の中に人間らしさを感じます。
筆者敬白

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