■11月22日「とおかんや(十日夜)」です。■
「とおかんや」とは、旧暦10月10日の夜に行なわれる行事のことです。主に東日本で、稲刈りが終わった旧暦10月10日、田の神が山へ帰っていくのを送り、秋の収穫を祝う風習が残っています。
また、「十日夜(とおかんや)」にはお月見の習慣がありました。旧暦8月15日「十五夜」、旧暦9月13日「十三夜」とともに「三月見(さんつきみ)」ともいわれ、3夜すべて晴れると良い事があると伝わります。
この月見の風習が行われていたのは、埼玉・群馬・栃木などの東日本地域。十日夜には里芋の茎を芯にして稲藁を束ねた「藁づと」と呼ぶ槌(つち)を子供たちが持ち「とーかんや、とーかんや。宵飯食って、ぶったたけ」と囃子文句を唄いながら、藁づとで地面を叩いて集落の各戸を廻ります。
地面を叩くのは、地表の土を盛り上げて作物を荒らすモグラを追い払うためです。一年の収穫を終え、気が衰えた大地、土地の神様を励ます意味もあるようです。
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
もともとお月見の日だったのを、子供たちも参加できる風習として伝わったようです。世間ではクリスマス商戦が本番! 11月下旬、これから年末年始の世知辛い日々です。こんな時期だからこそ、のんびり月見などしたいものです。
時節柄、お体ご自愛専一の程
筆者敬白