■11月2日「一の酉(いちのとり)」です。■
「酉の市」は、11月の酉の日に行われる鷲神社(おおとりじんじゃ)の祭礼に立つ市を指します。正式には酉の市と書いて「とりのまち」と読み、酉の祭(とりのまち)、大酉祭とも。「おとりさま」と呼ばれ親しまれています。
最初の酉の日を「一の酉」次の酉の日を「二の酉」その次を「三の酉」といいます。
「一の酉」は、11月9日(火)
「二の酉」は、11月21日(日)
「三の酉」は今年はありません。
長い歴史を持つ神祭「酉の市」は、春を迎える神事祭礼で、来る年の開運、授福、殖産、除災、商売繁昌をお祈りするお祭です。開催時間は午前0時~午後24時まで。午前0時の一番太鼓と共に市が始まり、丸一日間執り行われます。
鷲は獲物を「ワシヅカミ」にします。その爪を模したものが「熊手:くまで」とか。「福徳をかき集める」「福をとり(酉)こむ」「かきこむ」「はきこむ」という招福の縁起物として、農具の熊手、おかめ、入り船などが売られます。
境内は「縁起熊手」を求める人で賑わいます。熊手商と「買った負けた」とのやり取りを楽しんだあと、商談が成立すると威勢よく「手締め」が打たれます。
気に入った熊手を見付け、その金額をまけさせ、その分を店側に「ご祝儀」として渡すのが粋な買い方。手締めはこのご祝儀に対して行われます。結局のところ定額を支払っていることになるわけですが…。
始めは小さなものを求め、年々大きくしてゆきます。
酉の市は東京都台東区「鷲神社」、新宿区「花園神社」など、関東地方各地の社寺で行われます。
◇鷲神社:http://www.otorisama.or.jp/
◇花園神社:http://www.hanazono-jinja.or.jp/mt/top/
「鷲神社:おおとりじんじゃ」に祀られる開運招福の守り本尊「鷲妙見大菩薩:わしみょうけんだいぼさつ」は、「鷲大明神:おとりさま」と呼ばれ親しまれています。
▼法華宗鷲在山長國寺鷲妙見大菩薩
鎌倉時代の文永2年(1265)宗祖・日蓮大聖人が上総国鷲巣(かずさのくにわしのす=千葉県茂原市)の小早川家(現在の大本山・鷲山寺)に滞在の折、国家平穏を願って祈ったところ「にわかに明星(金星)が動き出して、不思議な力をもってして現れ出でた」と伝わります。
それは、11月酉の日のこと。七曜の冠を戴き、宝剣をかざして、鷲の背に立つ姿から「鷲大明神」「おとりさま」と呼ばれてきました。
浅草酉の市は、酉の寺「長國寺」の「鷲妙見大菩薩」ご開帳の法要で始まります。本年は「1日の午後11時55分」半鐘が打ち鳴らされ本堂へ入堂。本堂前には参詣者が集まります。「2日の午前0時」一番太鼓を合図にご開帳の読経が始まり「鷲妙見大菩薩のご開帳」です。
住職が宝剣を振り、本堂内を浄めた後、本堂前に集まった参詣者に宝剣を振り、祭りに関わる一切の難を祓って安全を祈念します。
白装束の僧侶「祈祷師」による大迫力の「開運招福の祈祷」の後、熊手商の音頭で参詣者全員が威勢のよい開運手締めを打ちます。多いときには千人を越す人が集まります。
鷲妙見大菩薩ご開帳の間、特別祈願の祈祷を終日行っています。特に、酉の市が始まる深夜午前0時ご開帳法要直後の「一番祈祷」には多くの祈願者が集まります。祈祷のあと「開運のお札」を受け、客殿で赤飯と煮〆の軽い「お斎:おとき」を頂きます。
午後24時「ご閉帳の法要」が執り行われます。終日、多くの参詣者と縁を結んだ「鷲妙見大菩薩」が安置される厨子の扉を静かに閉じて、酉の市の終了です。
酉の市
◇東京都台東区千束3-19-6
◇鷲神社(おおとりじんじゃ)
◇法華宗鷲在山長國寺境内
◇東京メトロ日比谷線「三ノ輪駅」徒歩9分
◇東京メトロ日比谷線「入谷駅」徒歩7分
◇酉の市:http://www.torinoichi.jp/