■5月4日~15日「八専(はっせん)」です。■
暦の上で「十干:じゅっかん」「十二支:じゅうにし」を、「五行説:木火土金水」に当てはめると、干支ともに同じ気が重なるものが12日あります。そのうちの8日が「壬子~癸亥」の12日間に集中していて、特別な意味を持つ期間とされました。
間日:このうち、癸丑・丙辰・戊午・壬戌の4日間を、八専の間日(まび)といいます。間日は八専の影響を受けづらい日です。八専は年に6回程あります。
八専の期間は「天干てんかん」と「地支:ちし」が同じ気なので、気が偏って良い事はますます良く、悪いことは更に悪く傾きやすくなります。これは、振幅の激しい期間で、準備を怠らなかった人には良い結果が、場当たり的な対応をした人にはそれなりの結果が訪れます。
古代中国では、むしろすべてのことに良いとされていて「淮南子:えなんじ」※には「専を以て干支(えと)に従えばすなわち功あり」と記されています。八専の期間中は、天地が朦朧(てんちがもうろう)として、人間社会でもバランスが取りづらくなります。人間関係では些細なことで思わず亀裂が入ったりします。他にはギャンブルなど、努力が伴わない行動は避けましょう。
※淮南子=中国前漢時代の皇族で、学者でもある「淮南王劉安」(えなんおうりゅうあん・紀元前179年~紀元前122年)が、学者を集めて編纂させた思想書
八専はもともと、築城・軍営・出陣・出兵には適さない日(凶日)として、戦争を司る軍略家の用いるものでした。
一般には、家作・植樹・地ならしなどの建設的な事柄には良く。立ち退き・解体・廃棄など処理的な事柄や婚礼、蓄類の売買には良くない日とされ、仏事も避ける(忌む)とされます。
また、八専期間中は雨が降る日が多いといわれています。八専始め「壬子=水と水」八専終わり「癸亥=水と水」と水の気が始めと終わりにあるので、雨が多い期間とされています。
◇◇◇◇編集後記◇◇◇◇
5~6月の八専です。次の二十四節気は「小満」で、いよいよ夏の前触れです。今回の八専が終ると、暦の上では6月節「芒種」そして「入梅」です。これを機会に新しい計画を立てるなど、八専の作用を存分に活用すれば、梅雨明けには物事が確実に成就していきます。
八専はいわゆる準備、事始めの期間なのです。
現在、逆境の方が、ここで一大決心をすると、大自然が見方になって、良い作用が発現した例を数多く聞きます。
つい油断から体調を崩しやすい時期です。 時節柄お体ご自愛専一の程
筆者敬白