2025.05.21
5月

令和7年(2025)5月28日 横浜善光寺(よこはまぜんこうじ)「不動明王大祭」です。

■5月28日 横浜善光寺(よこはまぜんこうじ)「不動明王大祭」です。■

「横浜善光寺(よこはまぜんこうじ)」は、横浜市港南区にあり、横浜市営日野公園墓地に隣接しています。曹洞宗の寺院で山号は「成寿山(せいじゅざん)」「釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)」(釈迦如来)を本尊とし、「身代わり不動明王」を祀ります。

横浜善光寺は、昭和44年(1969)、黒田白純(大田原市光真寺36世)を開山に招じ、株式会社ナリス化粧品の創業者村岡満義の開基によって創建されました。山号の「成寿山」は「ナリスさん」とも読みます。

釈迦殿に本尊「釈迦牟尼仏」と脇侍「文殊菩薩(もんじゅぼさつ)」「普賢菩薩(ふげんぼさつ)」を、不動殿に本尊「大日如来(だいにちにょらい)」と脇仏「薬師如来(やくしにょらい)」「阿弥陀如来(あみだにょらい)」、御前立(おまえだち:本尊の前に安置して諸人に礼拝させる仏像)の「不動三尊(ふどうさんぞん)」が安置されています。

横浜善光寺は坐禅会、書道会、写経会、仏典研究会など、さまざまな催しを主催しています。横浜善光寺留学僧育英会は海外留学僧の育成に尽力。

また、信州善光寺「全国善光寺会」に参加しています。皇極天皇3年(644)創建の信州善光寺(長野県長野市)は、国内有数の古刹です。御本尊の「善光寺如来(一光三尊阿弥陀如来)」は、時の権力者や諸宗派の高僧、庶民にいたるまで幅広い信仰を集めました。「善光寺信仰」は平安時代末期から全国的に広まり、鎌倉時代以降、各地に「善光寺」という名前の寺院が建てられました。今では全国に250ヶ寺を超える「善光寺」があり、横浜善光寺もそのひとつです。

◆不動明王大祭

「不動明王(ふどうみょうおう)」は、五大明王(ごだいみょうおう)・八大明王(はちだいみょうおう)のひとつで、それらの中心となる明王です。仏教諸派、そして「修験道(しゅげんどう)」で幅広く信仰されています。アジアの仏教圏のなかでも特に日本では根強い信仰があり、「お不動さん」の名で親しまれています。

不動明王は、「大日如来の教令輪身(きょうりょうりんしん)」とされます。密教において、「如来」が3種の姿をとる「三輪身(さんりんしん)」という考え方があり、
・自性輪身(じしょうりんしん):本来の姿、真理の当体である「如来」の姿
・正法輪身(しょうぼうりんしん):衆生を教化救済するために正法を説く「菩薩」の姿
・教令輪身(きょうりょうりんしん):導き難い相手に対して忿怒(ふんぬ)の相で折伏する「明王」の姿

の3つの姿があります。

大日如来の教令輪身である不動明王は「忿怒(ふんぬ)の相」をとり、形相は色黒く獰悪(どうあく)で、眼をつりあげ、牙を咬み出し、迦楼羅(かるら:インド神話に登場する、竜を食べる鳥)が羽を広げたような火焔の光背(こうはい)「迦楼羅炎(かるらえん)」を背にしています。右手には「降魔(ごうま)の剣」(利剣。正しい仏教の智慧で迷いや邪悪な心を断ち切る)、左手には「羂索(けんさく)」(悪い心をしばり善心をおこさせる綱)」を持ち、「大磐石(だいばんじゃく)」「瑟瑟座(しつしつざ)」という岩の台座に座しています。脇侍として、多くの場合、眷属(けんぞく)の「矜羯羅(こんがら)」「制吒迦(せいたか)」の二童子を従えます。

不動明王の姿は「一切の人びとを救うまではここを動かじ」という仏の御心を表します。釈尊が「我、悟りを開くまではこの場を立たず」と決心して菩提樹下に座した時、襲来する魔類を降魔の印を結び降伏せしめたという伝記があり、その際の釈尊の内証を表現した姿であるともいわれています。

横浜善光寺では、毎年5月28日に「不動明王大祭」を執り行ないます。『大般若経(だいはんにゃきょう、大般若波羅蜜多経)』600巻を転読し、参列した信徒の人びとが写経・写仏の奉納を行ないます。

横浜善光寺
◇神奈川県横浜市港南区日野中央1-12-9
◇市営地下鉄「港南中央駅」よりバスで約5分「日野公園墓地入口」
◇京浜急行「上大岡駅」よりバスで約10分「日野公園墓地入口」
◇横浜横須賀線「日野IC」インターより約5分
◇公式サイト:https://zenkouji.net

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

昭和になってからの開基で、比較的新しいお不動さまです。近年甚大なご利益があったとの評判もあり、今の時代に合っているのかもしれません。5月28日の御祈祷に参列されては如何でしょう。何か感じるものがある方はご縁があるのかもしれません。
季節の変わり目です。皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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