■5月16~18日 伊豆下田「黒船祭(くろふねさい)」です。■
寛永7年(1854)、江戸・大坂間海上交通の要地で「風待港(かぜまちこう:帆船時代に順風を待つために発達した港)」だった「下田(しもだ)」にペリー提督率いる米国海軍が「日米和親条約」を携えて来航。これにより徳川幕府の鎖国政策に終止符が打たれ、近代日本の幕開けとなりました。
「黒船祭(くろふねさい)」は、下田開港に尽くした内外の先賢の功績を後世に伝えるとともに、国際親善に貢献するため、昭和9年(1934)に始まりました。毎年、米国の協力のもとに開催されます。
「黒船」とは、大型の西洋式航洋船のこと。近世の日本で用いられた語で、江戸時代末期にかけて日本に来航した船を指す歴史用語です。特に、浦賀沖に来航したアメリカ合衆国のマシュー・ペリー率いるアメリカ海軍艦隊のことを指します。当時の欧米の船は「タール」で船体を黒色に塗っていたため、船体が黒く「黒船」と呼ばれました。
黒船祭は、毎年5月中旬の金曜日から日曜日に開催。ペリー艦隊来航記念碑献花式、米海軍第7艦隊音楽隊演奏会、航空自衛隊・海上保安庁航空機祝賀飛行など、記念式典や墓前祭が行なわれます。日米和親条約附録「下田条約(しもだじょうやく)」の舞台となった了仙寺(りょうせんじ)では当時の再現劇が行なわれます。ペリーロードや商店街ではおもしろ茶屋や大道芸、懐かしい小物が並ぶ開国市、パレード、海上花火大会などさまざまなイベントが開催され、下田の町は多くのひとで賑わいます。
黒船祭
◇開催地:静岡県下田市
◇お問い合わせ:下田観光協会
◇公式サイト:https://www.shimoda-city.info/kurofune
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
伊豆半島の南東端にある下田は、古くから良港として栄えました。開国直前、海防が急を告げるにしたがって下田の地は一躍脚光を浴びることになりました。わが国初のアメリカ領事館の設置、下田条約の締結など外交交渉の要地となったのです。
黒船の来航と開国を記念する「黒船祭」は、下田の町全体で開港当時の空気をつくる歴史情緒あふれるお祭りです。
新緑の季節です。
読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白