■5月10~16日「愛鳥週間」です。■
「愛鳥週間」は、野鳥を通して自然保護の大切さを知り、広めていく週間です。野鳥とは、自然の中で自由に飛び回る鳥。愛鳥週間は、鳥をとりまく生態系を含めて守っていこうという「愛鳥思想」を普及するため定められた一週間です。
もともと愛鳥週間は、アメリカ・ペンシルバニア州の教育長をしていたバブコック氏が小鳥を守ろうと、毎年4月10日に行なわれていた「植樹祭」に結びつけて「バードデー(Bird Day)」を提唱したのがはじまりです。アメリカでは毎年5月4日に行なわれています。
日本では、昭和22(1947)年、「日本鳥類保護連盟」が結成された際に、国民の愛鳥保護思想を高めるため、4月10日を「バードデー」と定めました。
このとき、「日本でもバードデーを」と提唱したのがアメリカの鳥類学者「オリバー・オースティン・ジュニア博士」でした。オースティン博士は、GHQ(連合国軍総司令部)の職員として戦後間もない日本に滞在し、全国を調査しました。鳥類学者としての研究のみならず、博士が撮影した写真には占領下の日本の人びとの暮らしが生き生きと写し出されていて、価値ある記録になっています。
その後、この時期の北国ではまだ積雪があり、夏鳥が渡ってくる前であることから、昭和25(1950)年からは時期をずらし、5月10日~16日までを「愛鳥週間(バードウィーク)」としました。
5月になり鳥の活動が活発になって、私たちの目にふれる機会も多くなるこの時期、鳥を通して自然保護の大切さを広げる週間です。
◆日本鳥類保護連盟:https://www.jspb.org
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
令和4年秋から5年春(2022~23)にかけて、日本でも鳥インフルエンザが発生・流行し、1600万羽を超える鳥が殺処分対象になりました。鳥インフルエンザとはA型インフルエンザウイルスにかかっておこる鳥の病気のことです。
鳥は空を飛ぶ生きもの。渡り鳥は海を超えて移動しながら、ウイルスを運びます。鳥の感染症を予防するためには国境を超えた対策に取り組まなければなりません。
鳥が運ぶのはウイルスだけではありません。植物の種子もはるか遠い地まで運んでいきます。鳥の生活環境は、私たち陸上に住む生きものよりも広大です。野鳥が生きる環境を守ることは、地球全体の環境を守ることにも繋がります。
筆者敬白