2025.04.24
5月

令和7年(2025)5月1~2日 飛騨一宮 水無神社(みなしじんじゃ)「宮まつり」です。

■5月1~2日 飛騨一宮 水無神社(みなしじんじゃ)「宮まつり」です。■

飛騨一宮として歴史も古い「水無神社(みなしじんじゃ)」の祭神は、主祭神「御歳大神(みとしのおおかみ:水無神)」と配神「大己貴命」「三穗津姫命」「応神天皇」「高降姫命」「神武天皇」「須沼比命」「天火明命」「少彦名命」「高照光姫命」「天熊人命」「天照皇大神」「豊受姫大神」「大歳神」「大八椅命」をあわせて15柱で「水無大神(みなしのおおかみ)」と総称します。社名の「水無」は「みなし」「すいむ」「みずなし」とも読み、水主の意味です。

式内社で、飛騨国一宮の総社。延喜式では小社に列格し、飛騨国の一宮であるとともに総社を兼ねました。鎌倉時代には神仏習合が進み「水無大菩薩」と称しました。

安永2年(1773)に起きた大規模な百姓一揆「大原騒動(おおはらそうどう)」では、水無神社が農民たちの決起集会の場所になりました。

水無神社の南西には、飛騨のほぼ中央に位置する「位山(くらいやま)」がそびえます。南に流れる水は「飛騨川(ひだがわ)」となり太平洋へ、北に流れる水は「神通川(じんずうがわ、じんづうがわ)」となって日本海へと流れる分水嶺(ぶんすいれい)です。水無神社は、神代より位山を神体山(しんたいさん)とし、奥宮(おくみや)と称しています。

◆例祭「宮まつり」

水無神社の例祭「宮まつり」は、古来8月15日、明治となり9月25日に行なわれていましたが、現在は5月1日夜に「試楽祭(宵まつり)」、2日夜に「本楽祭(神幸祭)」が行なわれます。

1日の夜、岐阜県の重要無形民俗文化財に指定されている「水無神社の神事芸能(しんじげいのう)」(闘鶏楽、神代踊、獅子舞)を鑑賞できます。

5月2日の「本楽祭」では、古儀の伝統のままに、総勢400余名に及ぶ渡御行列が威儀整然と御旅山(神楽岡の御旅所)へ向かいます。神輿が御旅山へ着き「御旅所祭」が執行され、神事芸能が奉納されます。やがて神輿は還御の途につきます。参拝者には「御神酒(どぶろく)」が振舞われます。

飛騨一宮水無神社
◇岐阜県高山市一之宮町5323
◇JR高山本線「飛騨一ノ宮駅」徒歩約10分
◇東海北陸道「高山西IC」から約21分
◇中部縦貫道「高山IC」から約18分
◇公式サイト:https://minashijinjya.or.jp

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

明治7~10年、島崎藤村の父、島崎正樹が水無神社の宮司をつとめていたそうです。その父をモデルに、小説『夜明け前』の主人公(青山半蔵)は描かれました。
境内には「黒駒(黒馬)」が祀ってあります。伝承によると、昔この地方で夜な夜な稲を食い荒らす馬がいるので、村人が待ち伏せ、あとをついていくと、馬は水無神社の境内に入っていき、黒い彫り物に変わりました。そこで村人は彫り物の黒馬の目を抜いたところ、それから馬は現れなくなったそうです。この黒駒は飛騨出身の名工、左甚五郎(ひだりじんごろう)の幼少の頃の作「稲喰神馬」と伝わります。見事な彫り物にこそ伝わる伝説です。

時節柄、土地柄、お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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