■3月10日「塩竈神社 帆手祭(ほてまつり)」です。■
陸奥国一之宮「塩竈神社:しおがまじんじゃ」の創建は、平安時代初期、嵯峨天皇の御代に編纂された「弘仁式」に「鹽竈神を祭る料壱万束」と記されます。奈良時代国府と鎮守府を兼ねた多賀城が神社の西南5km余の小高い丘に設けられ、その精神的支えとなって信仰されてきました。
武家社会となってからは、平泉の藤原氏や伊達藩の崇敬厚く、歴代藩主は大神主として務めました。現在の社殿は宝永元年(1704)に竣工されたもの。江戸時代以降は「式年遷宮の制」が行なわれ、平成3年(1991)には第十七回の式年遷宮本殿遷座祭が斎行されました。
御祭神は、別宮(特別な宮の意)に「塩土老翁神:しおつちおぢのかみ」、左宮に「武甕槌神:たけみかづちのかみ」、右宮に「経津主神:ふつぬしのかみ」の御三神をお祀ります。
塩土老翁神は古くより航海・潮の満ち引き・海の成分を司る神、左右宮の御祭神は武運・国土平定の神として信仰されて来ました。人の生死は「潮の満ち引き」に深い関係があり、また、海が産みに通じるところから、安産守護・延命長寿に御神徳があるとして庶民の信仰を集めます。また、海上安全・大漁満足・家内安全・交通安全・産業開発の神として信仰されます。
「帆手祭:ほてまつり」とは、江戸時代より続く火伏の祭です。荒神輿として有名な重さ約1トンの神輿を若者が担いで市内を御神幸し、町内の厄除けと繁栄とを祈願します。
塩竈神社
◇宮城県塩釜市一森山1-1
◇JR仙石線「本塩釜駅」徒歩7分
◇JR東北本線「塩釜駅」タクシー5分
◇三陸自動車道「利府中IC」車10分
◇塩竈神社公式サイト:http://www.shiogamajinja.jp/index.html
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
東日本大震災の年、3月10日に帆手祭が無事斎行されましたが、翌日の3月11日(東日本大震災日)で、塩竈神社が鎮座する松島湾は津波で大被害でした。
塩釜神社の帆手祭が、復興のシンボルになる祭礼として今後も続いていくことでしょう。
皆様、お風邪などお召しにならないよう、お体ご自愛専一の程
筆者敬白