■3月18日(旧2月午の日)「旧二の午(きゅうにのうま)」です。■
天界より宇迦御霊神(ウカノミタマノカミ:稲荷大神)が伊奈利山(稲荷山)に天降りて、三ヶ峰に初めて鎮座した「和銅4年(711)午の日」の祭りは、2月の最初の午の日を「初午」といい、次の午の日を「二の午」といって稲荷の縁日が行われます。
稲荷神は日本の神さまで、稲荷大明神ともいい「お稲荷さん」「お稲荷様」と呼ばれ親しまれています。
「稲荷信仰:いなりしんこう」は江戸時代に最も盛んでし
た。江戸に多いものとして「火事・喧嘩・伊勢屋・稲荷に犬の糞」と数えられたように、江戸にはいたるところにお稲荷さんがありました。
有名な稲荷神社の他に旗本、大名などの武家屋敷には必ず稲荷祠があり、町家の裏庭や長屋にも守り神として祠がありました。
もともと、午の日は子供の祭りで、武家屋敷では近隣の町家の子供たちを招いて遊ぶことを許したり、団子や甘酒、鮨、菓子など振舞っていたようです。現在は産業全般の神として信仰されています。
稲荷神社の総本社は、京都市伏見区にある「伏見稲荷大社」です。また、神仏習合思想においては仏法における荼吉尼天(だきにてん)が本地仏とされ、その総本社は豊川稲荷(とよかわいなり)です。
「荼枳尼天:だきにてん・荼吉尼天」は仏教の神。荼吉尼は梵語のダーキニー(Dakini)を音訳したもので、もとはインドの女神でした。もともと農業の神でし
たが、のちに「性や愛欲を司る神」とされ、さらには「人肉もしくは生きた人間の心臓を食らう夜叉神」とされるようになりました。
ヒンドゥー教では、カーリーの眷属※とされます。この神が仏教に取り入れられ、大日如来が化身した大黒天によって調伏されて、死者の心臓であれば食べることを許可されたとしています。
自由自在の通力を有し、六月前に人の死を知り、その人の心臓をとってこれを食べるといわれています。
※眷属(けんぞく):仏に対する様々な菩薩などを指す語として用いられ、薬師仏における十二神将や不動明王の八大童子、千手観音の二十八部衆などを指す。
伏見稲荷大社
◇京都市伏見区深草藪之内町68
◇公式Web:http://inari.jp/
豊川稲荷(圓福山豊川閣妙厳寺)
◇愛知県豊川市豊川町1
◇公式Web:http://toyokawainari.jp/