2022.03.07
3月
旧暦
雑節・歴注・撰日

令和4年(2022)3月10日(旧2月8日) 旧こと始め 旧針供養 です。

■3月10日(旧2月8日)「旧こと始め」「旧針供養」です。■

210228_28.jpg「こと始め」とは、その年の事の始まり行事のことで、陰暦2月8日に行われていた行事です。今年は太陽暦の今日が旧暦の2月8にあたります。
「針供養」とは、折れた針を供養し、裁縫の上達を願う行事です。関東では一般に2月8日に行われます。両日とも「事八日(ことようか)」(こと始め・こと納め)にあたっており、昔から様々な行事が行われてきましたが、それが江戸など都市では針供養に変わったものと考えられます。
 この日は、針の使用を謹んで針仕事を休み、古針(折れた縫い針や曲がった縫い針)を、豆腐やこんにゃく、あるいは餅に刺して、神社で供養したり、川へ流したりするのが一般的でした。豆腐やこんにゃくなどに針を刺す理由は、柔らかいもので針に楽をしてもらい、今までの針の労に感謝するのです。

190204_10.jpgもともと中国で行われていた針供養に似た行事が、日本に伝わったもので、事始め・事納め・女性の守護神である淡島信仰などと混合して出来上がったものが針供養であるといわれます。この日、芋、大根、焼豆腐、あずき、にんじんなどの煮物料理を食べる、俗にいう「いとこ煮」や「六質汁:むしつじる」「お事汁:おことじるは、こうした縁起からきたものだそうです。
 130124_23.jpgまた、豆腐のように色白の美人になるようにとか、柔らかい気持ちになれるようにとか、まめに働くことが大事(だいず)としたのだとか。豆腐は刺されても痛いと言わないから、女性が我慢強いことを願ったからなどともいわれます。
 
和歌山の淡島神社では、その年に使って折れた針を集めておき、淡島堂(あわしまどう)へ納め、縫裁の上達を祈ります。祭神は、少彦名命(すくなひこなのみこと)、大己貴命(おほなむじのみこと)、息長足姫命(おきながたらしひめのみこと・神功皇后)を祀ります。少彦名命は、医薬の神様です。特に女性の病気回復や安産・子授けなどに霊験あらたかといわれています。
 
針供養は関東では2月8日関西では12月8日に行うところが多く、古く、事始めと事納めを一緒にして「事八日:ことようか」と呼ばれていました。
 
東京浅草寺境内の淡島堂のご祭神は女神で、技芸裁縫の神です。
浅草寺HP/諸堂案内(淡島堂)http://www.senso-ji.jp/guide/awashimado.html




※淡島信仰、淡島神(あわしましんこう、あわしまがみ):淡島神は、女性特有の婦人病治癒や安産・子授け、裁縫の上達、人形供養をはじめ、良縁・健康維持など女性に関する効験ありとされる信仰。一説に淡島様は住吉明神の妻神であったが帯下(たいげ/婦人病)の病にかかり,熊野の淡島に流され治癒したとされることから、女性の守り神になったともいう。
江戸時代には淡島願人(あわしまがんにん)と呼ばれる乞食坊主が、淡島神の人形を祀った厨子を背負い、淡島明神の神徳を説いて廻った事から信仰が全国に広がった。関東地方では3月3日淡島講を催す地域がある。

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