2025.03.10
3月
雑節・歴注・撰日

令和7年(2025)3月16~25日「十方暮れ(じっぽうぐれ)」です。

■3月16~25日「十方暮れ(じっぽうぐれ)」です。■

「十方暮れ(じっぽうぐれ・じゅっぽうぐれ)」とは、干支(かんし)五行(ごぎょう)に配当したときに「相剋する(上下互いに尅(こく)する)」干支「甲申(きのえさる)~癸巳(みずのとみ)」までの10日間のことをいいます。ただし、丙戌(ひのえいぬ)と己丑(つちのとうし)の日は間日(まび)になります。

1日目 甲申(きのえさる) 金尅木  
2日目 乙酉(きのととり) 金剋木  
3日目 丙戌(ひのえいぬ) 火生土(相生) 間日
4日目 丁亥(ひのとゐ) 水剋火  
5日目 戊子(つちのえね) 土剋水  
6日目 己丑(つちのとうし) 土土(比和) 間日
7日目 庚寅(かのえとら) 金剋木  
8日目 辛卯(かのとう) 金剋木  
9日目 壬辰(みずのえたつ) 土剋水  
10日目 癸巳(みずのとみ) 水剋火  

 

十方暮れの「十方」とは、「天地八方」を指します。正確には四正(しせい)方位「東西南北」と、四隅(しぐう)方位「南東・南西・北西・北東」八方位「天地(てんち)」を合わせた十方位のことです。または「十方世界」ともいい私たちが右往左往する現実の世界、すべての方角に無限に存在する世界の全てのことを示します。

そして「天地四方八方閉ざされた状態」を「十方暮れ」といい、旧暦の解説書には「途方に暮れるの語呂合わせ」と書かれています。「十方暗」「十方闇」とも。

それにしても、やはり「とほうくれ」と読みたくなるほど、うまくいかなくて「途方に暮れる」期間なのでしょう。十方が暗い(暮)ので、天気が良くない日が続きます。

◆十方暮れ心得◆

「十方暮れ」の暦の上での発祥は定かではありませんが、五行説では相性の合わない日とされています。

この時期、雨が降っても大したことなく、降りそうで降らない曇りがちの(すっきりしない)天気が続きます。転じて暗雲(問題)が立ち込めているが雨(解決)が降らないという中途半端な状態です。 

なかなか進まないことに業を煮やして、一挙に事を起こしても逆効果です。解決どころか反対にこじらせて損失を招く恐れがあります。十方暮れ期間中は、あわてずに「過ぎるを待つ」が最大の解決方法です。

 

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

十方暮れの期間は手を尽くし、静かにじっと待つことも、問題解決です。静かにしていれば薄日が指すのがおのずと感じらるものです。十方に暮れるとは「人事を尽くして天命を待つ」の考え方を、暦に取り入れたのかもしれません。
皆様、「ないと思うな運と災難」、時節柄お身体ご自愛専一の程
筆者敬白

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