■3月16~25日「十方暮れ(じっぽうぐれ)」です。■
「十方暮れ(じっぽうぐれ・じゅっぽうぐれ)」とは、干支(かんし)を五行(ごぎょう)に配当したときに「相剋する(上下互いに尅(こく)する)」干支「甲申(きのえさる)~癸巳(みずのとみ)」までの10日間のことをいいます。ただし、丙戌(ひのえいぬ)と己丑(つちのとうし)の日は間日(まび)になります。
1日目 | 甲申(きのえさる) | 金尅木 | |
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2日目 | 乙酉(きのととり) | 金剋木 | |
3日目 | 丙戌(ひのえいぬ) | 火生土(相生) | 間日 |
4日目 | 丁亥(ひのとゐ) | 水剋火 | |
5日目 | 戊子(つちのえね) | 土剋水 | |
6日目 | 己丑(つちのとうし) | 土土(比和) | 間日 |
7日目 | 庚寅(かのえとら) | 金剋木 | |
8日目 | 辛卯(かのとう) | 金剋木 | |
9日目 | 壬辰(みずのえたつ) | 土剋水 | |
10日目 | 癸巳(みずのとみ) | 水剋火 |
十方暮れの「十方」とは、「天地八方」を指します。正確には四正(しせい)方位「東西南北」と、四隅(しぐう)方位「南東・南西・北西・北東」の八方位に「天地(てんち)」を合わせた十方位のことです。または「十方世界」ともいい私たちが右往左往する現実の世界、すべての方角に無限に存在する世界の全てのことを示します。
そして「天地四方八方閉ざされた状態」を「十方暮れ」といい、旧暦の解説書には「途方に暮れるの語呂合わせ」と書かれています。「十方暗」「十方闇」とも。
それにしても、やはり「とほうくれ」と読みたくなるほど、うまくいかなくて「途方に暮れる」期間なのでしょう。十方が暗い(暮)ので、天気が良くない日が続きます。
◆十方暮れ心得◆
「十方暮れ」の暦の上での発祥は定かではありませんが、五行説では相性の合わない日とされています。
この時期、雨が降っても大したことなく、降りそうで降らない曇りがちの(すっきりしない)天気が続きます。転じて暗雲(問題)が立ち込めているが雨(解決)が降らないという中途半端な状態です。
なかなか進まないことに業を煮やして、一挙に事を起こしても逆効果です。解決どころか反対にこじらせて損失を招く恐れがあります。十方暮れ期間中は、あわてずに「過ぎるを待つ」が最大の解決方法です。
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
十方暮れの期間は手を尽くし、静かにじっと待つことも、問題解決です。静かにしていれば薄日が指すのがおのずと感じらるものです。十方に暮れるとは「人事を尽くして天命を待つ」の考え方を、暦に取り入れたのかもしれません。
皆様、「ないと思うな運と災難」、時節柄お身体ご自愛専一の程
筆者敬白