2024.03.21
3月

令和6年(2024)3月25~31日 奈良、薬師寺「花会式(はなえしき)」です。

■3月25~31日 奈良、薬師寺「花会式(はなえしき)」です。■

南都七大寺〔※〕のひとつ「薬師寺(やくしじ)」は、興福寺(こうふくじ)とともに法相宗(ほっそうしゅう、ほうそうしゅう)〔※〕の大本山です。本尊は「薬師三尊」(薬師如来を中尊、日光菩薩・月光菩薩を左右脇侍の形式)。

天武天皇により発願、持統天皇により本尊開眼、文武天皇により飛鳥の地に堂が完成。後の平城遷都に伴い、現在の奈良市西ノ京町に移されました。
西国薬師四十九霊場1番。南都七大寺6番。神仏霊場巡拝の道第25番。平成10年(1998)古都奈良の文化財の一部として世界遺産に登録されています。

※南都七大寺(なんとしちだいじ):奈良時代に平城京(南都・奈良)およびその周辺にあり、朝廷の保護を受けた7つの官寺(かんじ)。東大寺(華厳宗)、興福寺(法相宗)、元興寺(華厳宗、真言律宗)、大安寺(高野山真言宗)、西大寺(真言律宗)、薬師寺(法相宗)、法隆寺(聖徳宗)。「官寺」とは、律令制下、寺を維持していく費用をすべて官から支給され、かつ監督された寺のこと。
※法相宗(ほっそうしゅう、ほうそうしゅう):インド瑜伽行派(唯識派)の思想を継承する中国の唐時代創始の大乗仏教宗派のひとつ。玄奘三蔵に師事した道昭(どうしょう)が法興寺(飛鳥寺の前身)で広め、南都六宗のひとつとして8世紀から9世紀にかけて隆盛を極めた

◆薬師寺の花会式

「花会式(はなえしき)」とは、修二会(しゅにえ)と呼ばれる行事のひとつで、奈良の大寺において「国家の繁栄と五穀豊穣、万民豊楽」などを祈願する春の行事です。

嘉承2年(1107)、堀河天皇が皇后の病気平癒を薬師如来に祈り、病気が回復しました。翌年、皇后は10種類の造花を女官たちにつくらせ感謝の心をこめて薬師如来の御宝前に供えました。
以来、毎年造花を供えて修二会を行なうようになったことから「花会式」と呼ばれるようになりました。椿・梅・桜・桃・山吹・牡丹・杜若・藤・百合・菊の10種、合計1696本の造花を12瓶に生けて供えます

毎年期間中に、練行衆(れんぎょうしゅう)による「悔過法要(けかほうよう)」が行われ、最終日の夜の「鬼追い式(おにおいしき)」をもって結願とし、法会を締めくくります。

薬師寺の花会式は、春を告げる風物詩として人びとに親しまれ、大勢の参拝客で境内が賑わいます。

法相宗大本山 薬師寺
◇奈良県奈良市西ノ京町457
◇近鉄「西ノ京駅」徒歩1分
◇公式サイト:https://yakushiji.or.jp

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

修二会は「国家繁栄、五穀豊穣、万民豊楽」の祈願です。
もうすぐ4月、新年度、新学期が始まります。

読者の皆様、時節柄お体ご自愛専一の程
筆者敬白

この記事をシェアする
   

関連記事

人気のタグ

  • その他人気タグ: