■6月5日「宇治、県神社祭」です。■
宇治の「県神社:あがたじんじゃ」は、神話に名高い「木花開耶姫命:このはなさくやひめのみこと」を祀ります。平等院の建立にあたり、鎮守社とされました。平等院の北に鎮座の「橋姫神社」が縁切りの神であるのに対し、南の県神社は縁結びの神として信仰されます。
毎年、6月5日の夜から6日未明にかけて行われる「県祭:あがたまつり」は、「暗闇祭り」とも呼ばれる闇夜の奇祭で、あかりをすべて消した真っ暗な夜中に、奉書紙を束ねて作った梵天を御輿にのせて練り歩きます。何をしてもかまわないという「無礼講の夜」として男女が盛り上がる祭りだったこともあるとか。
祭りは朝御饌の儀で始まり、続いて夕御饌の儀が行われ、神楽などが舞われた後に梵天渡御が始まります。
梵天とは、1600枚もの奉書紙を短冊に切って束ねた御幣を青竹に挟みこんだもので、約1m程の球形。重さは50㎏超。氏子たちによって作られた梵天は、御輿に乗せられて宇治神社にある旅所で出番を待ちます。午後11時、境内や沿道の露店、町の明かりが一斉に消されます。暗闇の中をふれ太鼓、猿田彦の面、雌雄の獅子頭、鏡をつけた榊などが続き、いよいよ数十人の講社の人々にかつがれた梵天御輿が姿をあらわします。
御輿は本殿に到着後、渡御の儀が行われ、神霊が梵天へと移されます。そして再び旅所まで戻ります。この後、旅所の梵天は再び県神社に戻り、遷幸祭が行われますが、この行事が人目に触れることはありません。
県神社
◇京都府宇治市蓮華72
◇京阪「宇治駅」徒歩約7分/JR「宇治駅」徒歩約12分