■6月20日 京都、鞍馬寺「竹伐り会式」です。■
幼少期の源義経「牛若丸」〔※〕が修行した地として知られる「鞍馬寺(くらまでら)」。鞍馬寺は、奈良「唐招堤寺(とうしょうだいじ)」の開祖「鑑真(がんじん)」の高弟「鑑禎(がんてい)」が、宝亀元年(770)この地に「毘沙門天王(びしゃもんてんのう)」を祀ったのが始まりと伝わります。
鞍馬寺は、天台宗から独立した新宗教教団「鞍馬弘教(くらまこうきょう)」の総本山です。千手観世音菩薩、毘沙門天王、護法魔王尊の三尊「尊天」を本尊として尊崇。「鞍馬山(くらまやま)」一体の自然と歴史を背景に、古神道、陰陽道、修験道などの山岳宗教の流れも汲みつつ多様な信仰を統一します。
◆竹伐り会式(たけきりえしき)
寛平年間、「峯延上人(ぶえん)」が護摩の修行をしていると、北の峰から2匹の大蛇が現れて上人に襲いかかりました。上人はこれを退治し1匹を3段に斬り捨てましたが、雌の蛇は仏法に従ったので許し、鞍馬の御香水(ごこうずい)を絶やさぬようにと命じて放してやりました。蛇は「閼伽井護法善神(あかいごほうぜんじん)」として祀られたという伝説があります。
「竹伐り会式(たけきりえしき)」は、この伝説にちなんで行なわれるお祭りで、豊作を占うことで有名です。
本殿前に4本の竹が用意され、根のない太竹が「雄大蛇」、根のついた細い竹を「雌大蛇」に見立てます。鞍馬法師たちが近江座と丹波座の東西に分かれ、昔を偲ばせる「弁慶かぶり」の僧兵姿で大竹を3段に切り落とし、堂内に駆け入る速さを競います。東が早いと近江の勝ち、西が早いと丹波の勝ちとなり、それぞれ豊作になるとされています。
※源義経「牛若丸」:牛若丸は京都で誕生し、齢7歳で鞍馬寺に入れられ、仏門に入りました。そして、広い境内で修行に励み、さらに夜ごと天狗に剣術を学んだと伝わります。ここで父と慕った平清盛は、実は父の敵だったと知るのは後のことです。
鞍馬寺
◇正式名称「松尾山金剛寿命院」
◇京都市左京区鞍馬本町1074番地
◇叡山電鉄「鞍馬」駅
◇公式サイト:https://www.kuramadera.or.jp
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
古神道などの影響が強い鞍馬弘教は神仏混交が色濃く残っています。この地域が山岳地帯にあることから修験道などの要素も見られます。境内中央にパワースポットがあり若い年齢層の訪問が多いと聞きます。
雨の季節です。鞍馬へお出かけの際には、雨具を忘れずにおもちください。
きっと、よい気を採ってこれますよ。
筆者敬白