■6月11日「入梅(にゅうばい)」です。■
6月11日0時24分「入梅(にゅうばい)」です。「入梅」とは、雑節のひとつで「梅雨の季節に入る日」を指します。「つゆいり」「ついり」ともいい、暦の上では太陽が黄経80度の点を通過した日を指します。「夏至(げし)」を中心に約30~40日間「梅雨期」に入りますが、実際の「梅雨入り」とは関係なく、「入梅」は暦の上でのことで、毎年一定ではありません。
旧暦では、「梅雨入り」を5月節「芒種(ぼうしゅ)」のあとの「壬(みずのえ)の日」とし、「梅雨明け」を「小暑(しょうしょ)」のあとの「壬の日」としていました。
しかし、南北に長い日本では、年や地方によって差が出てしまいます。農家にとって梅雨入りを知ることは、田植えの日取りを決めるのに大変重要でしたので、暦の上で「暦日(れきじつ)」、すなわち基準日として設けられました。
入梅の底を走るや終電車――ジャック・スタム
「入梅」の語源は、梅の実が熟する頃に雨季に入ることから。また、この頃は湿度が高く、カビが生え易くなることから「黴雨(ばいう)」といわれ、ここから「梅雨(ばいう)」に変化したともいわれています。
現在、「気象庁」が、本庁、管区気象台、地方中枢観測所の観測及び予報に基づいて「梅雨入り」を発表していますが、「梅雨入り宣言」をいつ発表するか迷っていることからも判断のむずかしさがわかります。
梅雨に先立って、天候がぐずつくことがあり、そんな梅雨の前触れを「走り梅雨(はしりづゆ)」「梅雨の走り(つゆのはしり)」「迎え梅雨(むかえづゆ)」などと呼びます。梅雨の期間中、何日か雨の降らない日が続くことを「梅雨の中休み(つゆのなかやすみ)」といい、梅雨の期間中の晴天を「梅雨の晴れ間」「梅雨晴れ(つゆばれ)」といいます。梅雨晴れの日は、往々にして気温・湿度ともに高く、「不快指数(ふかいしすう)」が高くなって、熱中症にもなりやすい。
梅雨の期間中に雨が少ないことを「空梅雨(からつゆ)」といいます。空梅雨になると、水不足で田植えに影響が出たり、農作物に被害が出ることがあります。
百姓に泣けとばかりや旱梅雨(ひでりづゆ)――石塚友二
北海道では梅雨がありません。梅雨に似た悪天候が2週間ほど続く時期もあり、これを北海道の旧地名を使い「蝦夷梅雨(えぞつゆ)」と呼び、蝦夷梅雨の期間中の肌寒い気候を特に「リラ冷え」と呼んでいます。沖縄では、本土よりも早く梅雨入りし、ちょうど「小満」から「芒種」にかけての時期にあたるので、地元では梅雨のことを「小満芒種(スーマンボースー)」「芒種雨(ボースーアミ)」と呼んだりします。
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
暦の上では6月10~11日ごろが梅雨入りです。従来ならば、雷が天を覆い尽くすと梅雨が明けて夏本番です、とコメントしたいところですが、近年の夏は暑さを超えて酷暑の夏が続いています。日本は亜熱帯になってしまったのでしょうか。
毎年のことですが、学校給食やナマものの食中毒が報道されています。食べものの傷みやすい時期です。特に調理を生業にする方はくれぐれも注意しましょう。
朝晩は冷え込む事があります。
読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白