■6月17日「興教大師誕生会」です。■
平安時代後期の真言宗の高僧「覚鑁(かくばん)」は、真言宗中興の祖にして新義真言宗の始祖。諡号は「興教大師(こうぎょうだいし)」です。
興教大師は、念仏思潮を真言教学において理論化。西方極楽教主・阿弥陀如来とは、真言教主・大日如来という普門総徳の尊から派生した別徳の尊であるとしました。
真言宗の教典の中でも特に有名な「密厳院発露懺悔文(みつごんいんほつろさんげのもん)」、空の思想を表した「月輪観(がちりんかん)」の編者として有名です。
13歳で得度、出家した覚鑁は、古式な真言宗の伝法を35歳の若さで灌頂(かんじょう=正統な継承者とする為の儀式)し、弘法大師空海以来の才と称されました。
高野山での修行の後、根来山(ねごろさん)に「根来寺」を建立。瞑想法に力を注ぎ、密厳浄土への往生など、わかりやすい教えを説きました。
生誕の地、佐賀県鹿島市に建てられた「誕生院」には、入滅した根来山より錐鑽身代不動明王の御尊霊を御本尊として迎え、弘法大師、興教両大師の尊像を安置しています。
根来寺
◇和歌山県岩出市根来2286
◇公式サイト:https://www.negoroji.org
誕生院
◇佐賀県鹿島市大字納富分2011
◇公式サイト:https://www.tanjoin.net/tera/
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
毎年6月17日、興教大師の誕生を奉祝する法要が行なわれます。寺によっては真言宗の宗祖・空海(弘法大師)が生まれた6月15日に両祖大使の誕生会を合わせてお祝いするところもあるようです。