■6月10日「チャグチャグ馬コ」です。■
古くから馬産地として知られる岩手県。江戸時代以前は主として軍馬や騎馬として使われていましたが、寛政年間(1789年頃)から農耕用として農民が家族同様の愛情を注いで飼うようになり、人と馬がひとつ屋根の下で暮らす南部曲り家が造られました。
こうした愛馬精神から生まれたのが馬の神を祀る「駒形(蒼前)神社」。蒼前神社の縁日は、端午の節句(旧暦5月5日)に開かれていましたが、この時期は田植え前の重労働が続くので、この日だけは仕事を休んで神社の境内で過ごすという風習が生まれました。
「チャグチャグ馬コ(ちゃぐちゃぐうまっこ)」とは、毎年6月に行なわれる「蒼前様」を信仰とするお祭のことで、100頭ほどの馬が滝沢村の蒼前神社から盛岡市の八幡宮までの15kmの道のりを行進するお祭です。
馬の艶やかな飾り付けとたくさんの鈴が特徴で、歩くたびに「チャグチャグ」と鳴る鈴の音が名称の由来といわれています。馬の飾りは、大名行列に使われた「小荷駄装束」に端を発するといわれ、色とりどりの装束に身を包んだ馬が行進する様は圧巻です。
滝沢村の鬼越蒼前神社には、江戸時代から近在近郊の農家の人が何百何千という馬を引き連れてお参りに来ていました。これが、チャグチャグ馬コの起源。南部は「南部駒」という名称で、馬の大産地です。
農繁期と重なるため、昭和33年(1958)から新暦の6月15日に行なわれるようになり、平成13年(2001)以降はより多くの人が参加しやすいよう、6月の第2土曜日になりました。」国の無形民俗文化財指定。馬の鈴の音は、環境省の「」残したい日本の音風景100選」に認定されています。
民謡チャグチャグ馬コは、昭和45(1970)年の岩手国体のためにつくられた新民謡で、元唄は花巻市大迫町の「ちょっとぎま」といわれています。
◆滝沢市「チャグチャグ馬コ」:https://www.city.takizawa.iwate.jp/01chag
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
チャグチャグ馬コは、岩手県の名物祭礼です。この頃、例年岩手県では入梅前の観光シーズンで、観光にはとてもいい季節なのですが、梅雨入りが早い年は雨に見舞われるかもしれません。
読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白