■7月31日「芦ノ湖湖水祭」です。■
「芦ノ湖:あしのこ」は、神奈川県足柄下郡箱根町にある箱根山のカルデラ湖。神山(かみやま)が約3千年前に水蒸気爆発と火砕流を起こした際に山の一部が大崩壊を起こす山体崩壊が発生して、誕生した県内最大の湖です。
「湖水祭:こすいさい」は「箱根神社」(九頭龍神社)の例大祭における宵祭にあたります。奈良時代の天平宝字元(757)萬巻上人が「九頭の毒龍」を調伏し、湖の主、水の神として斎い鎮め奉り、龍神祭を始めたことに由来する「水恩感謝」の祭りです。清祓式(湖水の祓い)、湖水神事、九頭龍明神への御供などが執り行われます。
湖水神事は、神前に御供(三升三合三勺の赤飯)と、神酒を献じて祝詞を奏し、神楽を舞い、祈願をこめたのち、御供を唐櫃に納めて捧持し、行列を整えて湖畔へと向います。岸辺で小舟にのりかえ、御供船、楽船、お伴船の順で進発します。
箱根神社湖上の大鳥居前から先は、宮司が唯一人ゆく御供船のみが湖心に漕ぎ出してゆくという「神秘の神事」と呼ばれる特殊神事です。
関東総鎮守箱根大権現と尊崇される「箱根神社」は、芦ノ湖の東岸、駒ケ岳の南麓に鎮座し、交通安全・心願成就・開運厄除に御神徳の高い「運開きの神様」として信仰されます。
御祭神は「瓊瓊杵尊:ににぎのみこと」「木花咲耶姫命:このはなさくやひめのみこと」「彦火火出見尊:ひこほほでみのみこと」の三神を合わせて「箱根大神」として祀り、かつては「箱根権現」、「三所大権現」と称されました。
龍神湖水の祭りと、箱根神社鎮座の由来を物語る例大祭は、一体の祭礼として変わることなく斎行され、現在では「芦ノ湖夏祭りウィーク」として、7月31日から8月6日の一週間、数々の祭典行事が芦ノ湖全体で執り行われています。
箱根神社
◇神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80-1
◇JR東海道線「小田原駅」または小田急線「箱根湯元駅」バス「元箱根」下車徒歩10分
◇公式Web:http://hakonejinja.or.jp/
◇◇◇◇編集後記◇◇◇◇
近年、「箱根神社」はパワースポットとして参詣者が増えています。土地や神社の謂れを知ってこそ、ご縁が結ばれてパワーが身に付くのです。
箱根神社に隣接する九頭竜神社には、数々の神話や足跡があります。参詣の際にはそこの歴史を知ることも大切です。更なる力が湧いてくることでしょう。
読者の皆様、まだまだ暑い日が続きます。お体ご自愛専一の程
筆者敬白