■7月30日「中伏(ちゅうふく)」です。■
「初伏(しょふく)」「中伏(ちゅうふく)」「末伏(まっぷく)」は、「陰陽五行説」にもとづく「選日」です。朝廷の陰陽寮(おんようりょう、おんようのつかさ)が作成し頒布していた「具注暦(ぐちゅうれき)」にも記載されていた暦注です。これら3つを総称して「三伏(さんぷく)」といいます。
「夏至」以降、第3回目の庚(かのえ)の日を「初伏」、4回目の庚の日を「中伏」、「立秋」以降の第1回目の庚の日を「末伏」とするのが一般的です。また、「夏至」以降の第3、4、5の庚の日をそれぞれとする方法、さらに6月節「小暑」後の第1、2、3をそれぞれとする方法があります。いずれも、起算日が庚の日ならば、その日を第1日目とします。
「庚(かのえ)」は五行説で「金の兄」で「金性」です。夏は「火性」が盛んですから、金は火に伏せられて(火尅金)、この日を「凶」すなわち「善くない日」とするのです。種蒔き・療養・遠行・婚姻・男女の和合などは慎むべきとされています。
新暦では、7月中旬から8月上旬にかけて「三伏」が入ります。この頃は酷暑期にあたるため、手紙の前文に「三伏の候」「三伏の猛暑」と書くなど、「酷暑の候」を表す言葉として現在も用いられています。
韓国では、この時期を「三伏暑」と呼んでいます。日本の「土用の鰻」と同様、韓国では犬肉や参鶏湯(サムゲタン)を食べる風習があります。
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
夏の暑い盛りは、どうしても体力を消耗してしまいます。こんな時には鰻などを食して、滋養強壮を心がけましょう。
読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白