■7月25日 徳島眉山天神社「天神まつり」です。■
「眉のごと雲居に見ゆる阿波の山 かけて漕ぐ舟とまり知らずも」と、万葉の歌人「船王(ふねのおおきみ)」に詠まれた山「眉山(びざん)」は、雄大な姿と落ち着いた佇まいから徳島市のシンボルとなっています。名前の由来は、どの方向から見ても「女性の眉」のような姿をしていることからといわれます。山頂からは、紀伊水道に面した徳島平野が一望できます。
山頂には「眉山公園」が整備され、春は桜、秋は紅葉を楽しむ市民でにぎわいます。また、山の中腹や山麓には神社や寺院が多く、信仰の場でもあります。眉山のふもとに鎮座する「徳島眉山天神社(とくしまびざんてんじんしゃ)」は、「菅原道真公」を祀る神社で、学問の神様、商売繁昌、また交通安全、家内安全の神様として厚く信仰されます。
もともと臨済宗妙心寺派の「潮音寺(ちょうおんじ)」の鎮守として、「瑞巌寺(ずいがんじ)」の「一顎(いちがく)」禅師が甲州「恵林寺(えりんじ)」から携えてきた高さ6寸の「渡唐天神木像(ととうてんじんもくぞう)」を祀ったのが、徳島眉山天神社の始まりと伝わります。文化6年(1809)現在の地に社を創建し、神像を祀りました。旧藩主「蜂須賀氏(はちすかし)」が代々にわたって保護し、文教の神として尊崇した由緒ある社です。
道真公が4才の時に詠んだとされる「美しや紅の色なる梅の花 あこが顔にもつけたくぞある」。道真公は、太宰府にあって、天を怨まず、人に憤らず、必ず冤罪の晴れる日を信じて、至誠一貫の生活を続けました。万代の師として長く後世の人びとより尊崇され、「学問の神様」として神徳高きは、この人格の然らしむるところです。
旧暦6月25日は、道真公の誕生日です。徳島眉山天神社では、毎年7月25日に道真公の誕生日を祝い例大祭「天神まつり」を盛大に執り行ないます。神事のあと、子どもたち、男衆の神輿、それから祭りの名物「ギャルみこし」を若い女性たちが担ぎ、徳島市の中心部を練り歩きます。
徳島眉山天神社
◇徳島市新町橋2-21
◇JR「徳島駅」徒歩10分
◇公式サイト:https://www.bizan-tenjinsha.org
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
市街になだらかなラインを見せてそびえる眉山は徳島市の緑のランドマークです。徳島駅から眉山を目指して歩くと、ふもとには「阿波おどり会館」があり、すぐわきには眉山の頂上へ続く「あわぎん眉山ロープウェイ」の入り口があります。その隣りに「徳島眉山天神社」が鎮座しています。
徳島を訪れた際は、天神社にお詣りしたあと、阿波おどり会館を見学、ロープウェイで眉山にのぼり、山頂からの眺めをぜひお楽しみください。晴れた日には遠く淡路島、紀伊半島まで一望できるそうです。
筆者敬白