2025.07.08
7月

令和7年(2025)7月15日 出羽三山「花祭(はなまつり)」です。

■7月15日 出羽三山「花祭(はなまつり)」です。■

「出羽三山(でわさんざん)」とは、山形県の中央にそびえる3つの山「羽黒山・月山・湯殿山」のの総称です。

羽黒山(はぐろさん)……標高414m、現世の幸せを祈る山(現在)
月山(がっさん)……標高1,984m、死後の安楽と往生を祈る山(過去)
湯殿山(ゆどのさん)……標高1,504m、生まれかわりを祈る山(未来)

今から4千年前、都から第32代「崇峻天皇(すしゅんてんのう)」の皇子、「蜂子皇子(はちこのみこ)」は、三本足の霊鳥に導かれて「出羽国(でわのくに)」に入りました。難行苦行の末に「羽黒権現(はぐろごんげん)」の御示現を拝し、羽黒山頂に「羽黒山寂光寺」を建立。次いで、月山、湯殿山を開き、両神を羽黒山に勧進し、「羽黒三所大権現」と称しました。

月山頂上の「月山神社」、羽黒山頂の「出羽神社(いではじんじゃ)」、湯殿山の中腹に鎮座する「湯殿山神社」を合わせて「出羽三山神社(でわさんざんじんじゃ)」と呼ばれます。

出羽三山神社の御祭神は、月読命・伊氏波神・稲倉魂命・大己貴命・少彦名命・大山祇命。摂社:五十猛神社・大年神社・厳島神社・蜂子神社・天有社。さらに、広大な境内には百一末社と呼ばれる神々の社に八百万の神々が祀られています。

蜂子皇子の修行の道は、のちに「羽黒派古修験道(はぐろはこしゅげんどう)」として発展し、出羽三山信仰の根本になっています。太古より今なお神々の息吹に深く包まれる三山は、「山岳信仰」「修験の霊場」として名高く、人びとの篤い信仰を集めています。

「加賀白山(かがはくさん)」を開いた「泰澄(たいちょう、越の大徳)」や、修験道の祖といわれる「役小角(えんのおづぬ、役行者)」、また真言宗開祖「空海(くうかい、弘法大師)」、天台宗開祖「最澄(さいちょう、伝教大師)」とその弟子「円仁(えんにん、慈覚大師)」などの高僧も来山、修行したと伝わります。

◆花祭(はなまつり)

「花祭(はなまつり)」は、毎年7月15日に行なわれる出羽三山神社の例大祭で、五穀豊穣・家内安全を祈願します。稲の花が咲く頃に、災厄のないことを祈ります。

三山(月山神社・出羽神社・湯殿山神社)の神輿が、羽黒山山上の「鏡池(御手洗池)」の周りを練り歩き、稲の花を模した造花をつけた万燈や「梵天(ぼんでん、ぼんてん)」が神輿行列に加わります。神前に供えられた花は、魔除け・豊作のお守りといわれ、霊験あらたかとされる献灯の花を参拝者が奪い合い、祭りは最高潮に達します。

出羽三山神社
◇山形県東田川郡羽黒町大字手向字手向7
◇JR羽越本線「鶴岡駅」バス
◇公式サイト:http://www.dewasanzan.jp

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

電気やガスが無かった頃、灯りと暖をとっていたのは、ろうそくと囲炉裏でした。自然と共に生きるエコ生活だったのでしょう。今年の夏も電力警戒注意報や警報が出され、節電協力が報道されています。
7月15日は新暦のお盆の中日です。この時期、古神道、陰陽道を基本にした修験の祭礼が各地で催されます。

お出かけになる方は、水分補給と熱中症予防を心がけてください。
読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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