■7月6~8日 東京、入谷鬼子母神「朝顔市(入谷朝顔まつり)」です。■
東京台東区下谷(したや)の法華宗本門流の寺「真源寺(しんげんじ)」は万治2年(1659)に創建と伝わります。「入谷鬼子母神(いりやきしもじん)」として知られ、「恐れ入谷の鬼子母神」の地口(じぐち)で有名です。「雑司ヶ谷鬼子母神堂(ぞうしがやきしもじんどう)」(東京都豊島区)、「中山法華経寺(なかやまほけきょうじ)」(千葉県市川市)とともに「江戸三大鬼子母神」に数えられます。
ちなみに、「恐れ入谷の鬼子母神」のあとには「びっくり下谷の広徳寺」という文句が続きます。東京都練馬区にある臨済宗大徳寺派の寺院「広徳寺(こうとくじ)」は、寛永年間には下谷にあり、多くの大名が檀家とする大寺院でした。
また、真源寺は、台東区の根岸、下谷、三ノ輪の地域にある「下谷七福神(したやしちふくじん)」のひとつで、「福禄寿(ふくろくじゅ)」が祀られています。
下谷七福神:
寿老人…元三島神社(もとみしまじんじゃ)
福禄寿…真源寺(しんげんじ、入谷鬼子母神)
大黒天…英信寺(えいしんじ)
毘沙門天…法昌寺(ほうしょうじ)
弁財天…弁天院(べんてんいん)
恵比寿…飛不動尊正宝院(とびふどうそんしょうほういん)
布袋尊…寿永寺(じゅえいじ)
◆朝顔市「入谷朝顔まつり」
「入谷鬼子母神」の境内では、毎年7月上旬、鉢植えの朝顔を売る「朝顔市(あさがおいち)」が開かれます。
かつて、浅草、下谷のあたりは「千束池(せんぞくいけ)」と呼ばれる沼地が広がっていました。天正年間に干拓され、入谷周辺は「入谷田圃(いりやたんぼ)」と呼ばれるようになりました。もともと御徒町(おかちまち)の下級武士などが盛んに朝顔を栽培していたのですが、入谷の植木屋たちが朝顔づくりを始めると、入谷田圃の土が朝顔栽培に適していたこともあいまって、非常に出来が良く、評判になりました。江戸末期から明治にかけて、朝顔の季節になると、入谷には見物や買い物に訪れる多くの人びとで賑わいました。
宅地化が進み、大正2年(1913)最後の植木屋が廃業すると、朝顔市も廃れてしまいましたが、昭和23年(1948)、終戦直後の混乱と復興の波のなかで、地元有志と下谷観光連盟が協力し、入谷の朝顔市を復活させました。
現在、「入谷朝顔まつり」として、歩行者天国に屋台も並び、江戸情緒あふれる下町の夏の風物詩となっています。
入谷鬼子母神(真源寺)
◇東京都台東区下谷 1-12-16
◇東京メトロ日比谷線「入谷駅」徒歩2分
◇JR「鶯谷駅」徒歩5分
◇JR、東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」徒歩10分
◆「入谷朝顔まつり」公式サイト:https://www.asagao-maturi.com
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
朝顔市は入谷鬼子母神の真源寺境内で今年も7月6~8日開催されます。朝顔市では江戸風鈴や金魚すくいの出店もあり、暑いさなか一服の涼しさを感じることが出来ます。是非お出かけください。
皆様もお住まいの地域に残っている習慣、行事の謂れを知って次の世代につないでいきましょう。
体調管理の難しい季節です。皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白