2025.06.25
7月

令和7年(2025)7月1~15日「博多祇園山笠(はかたぎおんやまかさ)」です。

■7月1~15日「博多祇園山笠(はかたぎおんやまかさ)」です。■

「博多祇園山笠(はかたぎおんやまかさ)」は、博多の総鎮守「櫛田神社(くしだじんじゃ)」「山笠(やま)」と呼ばれる山車を奉納する神事です。「博多どんたく」とともに、博多を代表するお祭りです。祭礼期間は7月1日から15日まで。

「櫛田神社」は、天平宝字元年(757)伊勢国松坂の櫛田神社を勧請したことに始まると伝わります。祭神は「大幡主命(おおはたぬしのみこと:櫛田大神)」「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」「須佐之男命(すさのおのみこと:祇園大神)」を祀ります。古来、不老長寿、商売繁盛の神として篤い信仰を集め、地元の人びとに「お櫛田さん」と呼ばれ親しまれています。

博多を代表する夏祭り「博多祗園山笠」は、仁治2年(1241)、臨済宗の高僧「聖一国師(しょういちこくし:円爾)」が、疫病が流行していた博多で、博多町人に担がれた施餓鬼(せがき)棚の上に乗り、水を撒きながら「疫病退散」を祈祷したことが始まりとされています。

7月1日から約半月、さまざまな神事が行なわれます。まず、高さ10~15メートルにおよぶ観賞用の山笠「飾り山笠(かざりやま)」が市内13ヶ所に据えられ公開されます。周辺には出店も並び、博多人形師による絢爛豪華な人形が飾られた山笠を見物する人びとで賑わいます。

7月10日から、博多祇園山笠の華「舁き山笠(かきやま)」が始まります。肩に山笠の棒を乗せて走ることを「舁く」といい、そうする男たちを「舁き手(かきて)」といいます。

10日と14日、それぞれの「流(ながれ)」区域内を舁(か)き回る「流舁き(ながれがき)」が行なわれます。「流舁き」はいちど舁き出したら、ノンストップで最後まで走り続け、台上がりの交代も、走る山笠を追いながら行なわれます。

「流」は、山笠の所属する町内の自治組織的な団体で、九州平定を終えた豊臣秀吉が博多再興のために検分・指図した「太閤町割り」に端を発した博多の町の区画分けの単位です。

11日は、早朝5時から始まる「朝山笠」と午後に行なわれる「他流舁き(たながれがき)」が行なわれます。「他流舁き」では、各自の流区域から外に出て、他の流区域に舁き入れ、出会ったときは互いに「よか山笠やね」と誉めます。

12日の「追い山笠馴らし(おいやまならし)」、13日の「集団山笠見せ(しゅうだんやまみせ)」、そして、15日未明、祭りのクライマックス「追い山笠(おいやま)」が行なわれます。午前1時過ぎより一番山笠を先頭に、七流の舁き山笠が櫛田神社前に集結。午前4時59分、一番山笠が「山留(スタート地点)」から太鼓の音とともに舁き出し、「櫛田入り」を行ないます。二番山笠は6分後の午前5時5分から、三番山笠以降は5分間隔で続いて「櫛田入り」を行ない、払暁の博多の街を縦横無尽に疾走、須崎町石村萬盛堂前(町奉行所跡)の「廻り止め(ゴール)」までの約5キロをおよそ20分で走破し、速さを競います。櫛田神社の能舞台では午前6時から荒ぶる神様に捧げる「鎮めの能」が演じられます。

櫛田神社
◇福岡市博多区上川端町1-41
◇地下鉄「祇園駅」2番出口 徒歩5分

◆博多祇園山笠公式サイト:https://www.hakatayamakasa.com

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

博多といえばGWの「博多どんたく」が有名で、博多の街は観光客であふれます。博多祇園山笠は地元の方々の祭礼で、京都の祇園祭の色あいを色濃く残して今日に至ります。例年のこの時期、九州は梅雨が明けて天候にも恵まれ、観光にはいい時期です。お出かけの際には日傘・帽子・水分補給を忘れずに。
これからが夏本番。
読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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