■7月1日「富士山開き」です。■
「富士山(ふじさん)」は、約1万年前、ほぼ現在のかたちがつくられました。まだ若くて新しい「活火山(かつかざん)」です。ほぼ同一の火口からの活発な噴火活動の繰り返しの結果、溶岩や火山礫(かざんれき)、火山灰などが円錐形に幾重にも積み重なった成層構造をなす「成層火山(せいそうかざん)」です。宝永4年(1707)に爆発的な大噴火をして以後、噴火活動は休止しています。
日本最高峰で、標高3775.56m、体積約1,400立方km。北緯35度21分、東経138度43分に位置し、山梨県と静岡県にまたがります。富士山の豊かな自然環境は、人々の暮らしや産業にとって欠くことのできない清らかな水を育むとともに、様々な形で私たちに恩恵を与え続けています。
登山シーズンは7月1日~9月10日(登山道によって期間が異なります)。登山客は「入山料」と「環境整備の協力金」を払う必要があります。
「富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)」では、富士山山開きにあたり「開山祭」を執り行ない安全を祈願します。山岳救助隊の夏山救助開始式、富士山開山式典、手筒花火などの行事が行なわれます。
「富士山本宮浅間大社」は、全国の「浅間神社」の総本社です。富士山を神体山(しんたいさん)として祀り、「富士信仰」の中心地として知られます。御祭神は「木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)」、相殿に「瓊々杵尊(ににぎのみこと)」と「大山祇神(おおやまづみのかみ)」を祀ります。
古くより朝廷・武家からの崇敬が深かったほか、社地は大宮・村山口登山道の起点に位置することもあり、古くから登山を行う「修験者」からの崇敬も受けていました。本宮の本殿は「徳川家康(とくがわいえやす)」により造営。「浅間造(せんげんづくり)」という独特の建築様式であり、国の重要文化財に指定されています。また、本宮境内には、国の特別天然記念物「湧玉池(わくたまいけ)」があり、富士山の湧水が湧き出しています。
富士山本宮浅間大社奥宮の社務所内には、「富士山頂郵便局」が設置されていて、毎年、夏山シーズン限定で開設されます。平成3年(1991)、五合目にも「富士山五合目簡易郵便局」が開局しました。スイスアルプスのユングフラウ・ヨッホ山頂局と国際山岳郵便局提携しており、スイスの黄色い郵便ポストが置かれています。
富士山本宮浅間大社
◇静岡県富士宮市宮町1-1
◇公式サイト:http://www.fuji-hongu.or.jp/sengen/
◆富士登山オフィシャルサイト:https://www.fujisan-climb.jp
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
富士山が発する霊力にひかれて、世界文化遺産に登録された「富士山」。ユネスコの世界遺産委員会は芸術、信仰両面における普遍的な価値を高く評価しました。
富士山を望む御殿場市には「ありがとう寺」があります。霊峰富士に抱かれながらの断食や瞑想、写経に講話やなどは体の違う部分に響くように感じます。これも霊峰富士ならではの効果なのでしょう。参考HP:https://www.arigatozen.com
山頂でご来光を拝む「弾丸登山」は事故も多く、関係者は「無理をしないで」と注意を呼びかけています。
筆者敬白