■7月30日~8月1日 大阪、住吉大社「住吉祭(すみよしまつり)」です。■
摂津国(せっつのくに)一之宮「住吉大社(すみよしたいしゃ)」は、全国約2300社余の「住吉神社」の総本宮です。
「伊邪那岐命(いざなぎのみこと)」は、火の神「カグツチ」の出産で亡くなった妻「伊邪那美命(いざなみのみこと)」を追い、黄泉の国(死者の世界)に行きますが、妻を連れて戻るという望みは叶えられず、逆に穢れを受けてしまいました。
その穢れを清めるため海に入って禊祓(みそぎはらえ)した際に「底筒男命(そこつつのをのみこと)、中筒男命(なかつつのをのみこと)、表筒男命(うはつつのをのみこと)」が生まれました。この3柱を「住吉大神(すみよしのおおかみ)」と総称します。
◆住吉祭(すみよしまつり)
「住吉祭(すみよしまつり)」は、住吉大社の例大祭「夏越祓神事(なごしのはらえしんじ)」です。「住吉大神」が禊祓で出現したことから「禊祓の神」であり、神道で最も大事な「祓(はらえ)」を司ります。したがって、住吉祭は大阪中を清める意義があり、古くから「おはらい」とも呼ばれています。
華麗に着飾った「夏越女(なごしめ)」、稚児らが「茅の輪(ちのわ)」をくぐる儀式が行なわれます。
五月殿(さつきでん)で大祓式が執り行われたのち、一般市民も参加して本宮に参進しながら茅の輪をくぐること3度。茅の輪をくぐる際に「住吉の夏越の祓する人は千年(ちとせ)のよはひのぶといふなり」という和歌を口ずさみます。
第一本宮で祭典が行なわれ、無形文化財指定の熊野舞や住吉踊りが披露されます。
8月1日、住吉大神の御神霊(おみたま)をお遷しした神輿が行列を仕立て、堺にある御旅所「宿院頓宮(しゅくいんとんぐう)」までお渡りする「神輿渡御(みこしとぎょ)」が行なわれます。神輿は重さ700貫(約2t)、轅は11mと非常に大きく、「住吉反橋(すみよしそりはし)」を渡る姿は見所のひとつとなっています。
総勢1200名以上の奉仕者が行列を成して街道を南下、大阪市と堺市を隔てる大和川(やまとがわ)では神輿が川の中を勇壮に練り回ります。
住吉大社
◇大阪市住吉区住吉2丁目9-89
◇南海本線「住吉大社駅」徒歩3分
◇南海高野線「住吉東駅」徒歩5分
◇阪堺線「住吉鳥居前駅」
◇公式サイト:https://www.sumiyoshitaisha.net
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
住吉祭は、7月31日に大阪市の住吉大社で行われる例大祭を中心とした祭礼で、生國魂祭(生國魂神社)・天神祭(大阪天満宮)・住吉祭(住吉大社)と続く大阪三大夏祭りのひとつです。「大祓い」とも呼ばれ、住吉大社の特別な夏祭りです。豊臣期大阪図屏風にも、住吉大社の「荒和大祓神事(あらにごのおおはらえしんじ)」の様子が描かれています。
住吉祭りで穢れを祓って茅の輪をくぐり、堺大魚夜市のセリに参加するなど大阪らしい夏祭りです。
お出かけの際には昼間の暑さから熱中症、夜になっても熱帯夜で体調不良にならないように、お体ご自愛専一の程
筆者敬白