■7月21日 京都、松尾大社「御田祭(おんださい)」です。■
日本第一醸造之神・京都最古の神社「松尾大社(まつのおたいしゃ)」は、式内社(名神大)、二十二社の一社で、旧社格は官幣大社。旧称松尾神社です。
本社と、摂末社の四大神・衣手・三宮・宗像(市杵島姫命)・櫟谷(いちたに、奥津島姫命)・月読(月読尊)の各社を併せて「松尾七社」といいます。
平安遷都により皇城鎮護の神として崇敬されるようになり、東の賀茂神社(賀茂別雷神社・賀茂御祖神社)とともに「賀茂の厳神(げんしん)」「松尾の猛霊(もうりょう)」と並び称されて、崇敬いよいよ加わるに至ります。明治4年(1871)に「松尾神社」として官幣大社に列格し、終戦後は国家管理の廃止により、昭和25年(1950)に「松尾大社」と改称しました。
本殿は大宝元年(701)、秦忌寸都理(はたのいみきとり)が勅命を奉じて創建。以来皇室や幕府の手で改築され、現在のものは室町初期の応永4年(1397)建造にかかり、天文11年(1542)大修理を施したもの。建坪35坪余、桁行三間・梁間四間の特殊な両流造りは「松尾造り」と呼ばれます。
御祭神は「大山咋神(おおやまぐいのかみ)」「市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)」。渡来人の秦氏が酒造の技術も伝えたことから、中世(一般的に鎌倉・室町時代)以降は酒造の神としても信仰されるようになりました。
◆御田祭(おんださい)
「御田祭」は、室町時代から続く田植えの神事です。毎年7月第3日曜日に行なわれます。植女の姿は、紗を張った「かいばり」(内掛け)を着て、金銀で飾られた花笠をかぶり、紅白ちりめんのたすきを掛け、額には葵の形を白粉をつけ髪に垂らして花櫛を挿し元結を水引で結んでいたとされています。
3人の植女が壮夫と腰元を従え、本殿の祭儀に参列、神職から早苗を受け斎庭に出て、壮夫の肩に乗り先駆の素袍二人と鍬持ち二人、その他を従えて拝殿を3周します。その後、持っていた苗を撤布すると、見物人たちは競ってこれを取って持ち帰り、田の虫除けにしたと伝わります。
松尾大社
◇京都府京都市西京区嵐山宮町3
◇阪急電車「松尾大社駅」
◇JR「京都駅」から市バス「松尾大社前」
◇公式サイト:https://www.matsunoo.or.jp
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
松尾大社は「お酒の神様」として有名です。御田祭は各地で開催される春から夏にかけての祭礼で、お田植え祭りとしては他の地域より時期が遅い祭礼といえます。
一説には日本古来の米、赤米は成長が早く田植え時期が遅かったらしいといった説と、梅雨が明けないと田植えが出来なかったといった説があります。どちらにしても古くから日本人と稲作は、深い関係にあることがわかります。
近年では食物に感謝をしない方が増えてきました。感謝をしてこそ御飯です。食べるだけなら単なる餌でしょう。松尾大社「御田祭」を機会に、毎日の食事が出来ることに感謝しましょう。
暑さ厳しい折、体調管理にご注意なさってください。お体ご自愛専一の程
筆者敬白