2024.07.11
7月

令和6年(2024)7月17日 京都、八坂神社「祇園祭」です。

■7月17日 京都、八坂神社「祇園祭」です。■

京都「八坂神社(やさかじんじゃ)」は、日本全国約2300社ある「素戔嗚尊(スサノオ)」を祭神とする神社の総本社です。もともと「祇園社」「祇園感神院」「祇園天神社」などと称されましたが、明治の神仏分離令により「八坂神社」と改められました。通称「祇園さん」と呼ばれています。

日本三大祭のひとつ「祇園祭」は、千百年の伝統がある八坂神社の祭礼で、7月1日「吉符入り」に始まり、31日「疫神社夏越祭」まで、1ヶ月にわたり神事や行事が執り行われます。古くは「祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)」と呼ばれました。

この祭りは、祇園神(ぎおんのかみ:牛頭天王・スサノオ)を祀る「祇園神社」に奉納される祭礼のこと。同じく牛頭天王を祭神とする「天王祭(てんのうさい、てんのうまつり)」も同一のものに分類されます。祭神の性格から、その多くは7月から8月にかけて「疫病退散・厄除け」を祈願して行われる夏祭りで、総本社である京都の八坂神社(祇園社)の祇園祭を始めとして、日本各地で行われます。

「祇園信仰(ぎおんしんこう)」は、「牛頭天王(ごずてんのう)」「スサノオ」に対する神仏習合の信仰です。明治の神仏分離以降は、スサノオを祭神とする神道の信仰となっています。
「牛頭天王」は、もともとインドの神で仏教の神。祇園精舎(ぎおんそうじゃ=釈迦が説法を行なった寺院)の守護神でした。これが日本に伝わる前に中国で道教の影響を受け、日本ではさらに神道の神であるスサノオと習合。牛頭天王もスサノオも「行疫神(ぎょうやくじん:疫病や災厄をもたらす神)」とされていたためです。本地仏(ほんじぶつ:神の正体とされる仏)は薬師如来

『平家物語』の冒頭で「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり」と詠われている所から、特に日本ではよく知られています。また、京都の有名な花街である「祇園」は、祇園社と称した八坂神社の門前町であることからその名が付きました。

「祇園祭」は、貞観11年(869)京の都をはじめ全国に疫病が流行した折、平安京の広大な庭園である神泉苑に当時の国の数66ヶ国にちなんで66本の鉾を立て祇園の神を祀り災厄退散を祈願したことに始まります。

スサノオが南海に旅をされた時、「蘇民将来(そみんしょうらい)」は一夜の宿と食事を提供し、厚くもてなしました。この真心を喜ばれたスサノオは、「後の世に疫病が起こらば、蘇民将来の子孫と言いて腰に茅の輪をつけたる人は免れなん」と約束しました。
これにちなんで、祇園祭では「蘇民将来之子孫也」の護符を身に付けて奉仕します。31日の「疫神社夏越祭(えきじんじゃなごしさい)」では、参拝者にこの護符を授けます。祭りでは「厄除ちまき」が頒布されます。

八坂神社
◇京都市東山区祇園町北側625
◇京阪電車「祇園四条駅」徒歩約5分
◇阪急電鉄「京都河原町駅」徒歩約8分
◇JR京都駅より市バス100・206番「祇園」下車すぐ
◇公式サイト:https://www.yasaka-jinja.or.jp
◆「祇園祭」(八坂神社):https://www.yasaka-jinja.or.jp/event/gion/

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

歴史に残る疫病で、たくさんの死者が出た時期がありました。6月末の夏越の祓(なごしのはらえ)の折り、寺社仏閣では「茅の輪くぐり」が催されます。夏越の祓の茅の輪くぐりは、スサノオ伝説が由来です。
祇園祭は京都に限らず八坂、スサノオにゆかりのある地域で夏祭りとして今に伝わります。祇園祭は山口、小倉、佐原など各地で、原型をとどめている祭礼です。

近年の夏の猛暑のなか、熱中症で救急搬送される方が増えています。お出かけの際には水分補給、帽子・日傘を忘れないようにしましょう。
皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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