2023.07.24
7月

令和5年(2023)7月27日「神奈川、大山阿夫利神社(おおやまあふりじんじゃ)夏季大祭」です。

■7月27日「神奈川、大山阿夫利神社 夏季大祭」■

大山阿夫利神社(おおやまあふりじんじゃ)」の創立は、今から2200余年以前の人皇第10代崇神天皇の御代と伝わります。

大山(おおやま)」は、別名「雨降山(あめふりやま、あふりやま)」とも。式内社で、旧社格は県社(現、神社本庁の別表神社)。「阿武利」とも表記し、「あぶり」とも読みます。

天平勝宝4年(752)「良辯(りょうべん)大僧正」が入山し、神宮寺として「雨降山大山寺」が建立され、本尊に不動明王が祀られました。中世以降は、大山寺を拠点とする修験道(大山修験)が盛んとなり、源頼朝を始め北条氏、徳川氏などの武家の崇敬篤く、江戸時代には、参詣する講(大山講)が関東各地に組織され、多くの庶民が参詣しました。

明治の神仏分離の際には、大山寺の勢力が強かった為、激しい廃仏毀釈が行なわれました。石尊大権現・大山寺の称を廃し、旧来の「阿夫利神社」に改称。明治6年に県社に列格。

大山の山嶺に三社を構える大山阿夫利神社は、本社に「大山祗大神(おおやまつみのかみ)」を祀り、摂社奥社に「大雷神(おおいかつちのかみ)」を、前社に「高オカミノ神(たかおかみのかみ)」を祀ります。

大山は、古来よりたびたび神意が現れ「天狗の来住する神山」であるともいわれています。摂社の両社は、「大天狗」「小天狗」といわれていました。

底津磐根(そこついわね=地の底)」に鎮座し、「高天原(たかまがはら=天上の神々の国)」に千木高知り座して「天下の神蹟」と言われているのが、「大山石尊大権現(おおやませきそんだいごんげん)」と称せられた本社の御霊体(祭神)です。

御神徳は、生活の資源は勿論のこと、海運・漁獲・農産・商工業などに霊験あらたか。さらにまたの名を、「酒解神(さかわけのかみ)」といい、酒造の祖神としても崇敬されています。また、大山は古来より雨乞いの聖地とされ、深く信仰されてきました。

7月27日、夏山開きが行なわれます。お花講の人により阿夫利神社の登拝門の左右の扉が開かれ、白い行衣の参詣人たちが「散華 散華 六根清浄(さんげ さんげ ろっこんしょうじょう)」と唱えながら参道を登り、夏山の安全を祈願します。

かつて大山は、夏山期間以外は登拝門が固く閉ざされ、山頂へ登ることが禁じられていました。昭和40年(1965)の国定公園指定をきっかけに、一年を通じて登拝門が開かれるようになりましたが、この伝統儀式は元禄年間より脈々と受け継がれています。

大山阿夫利神社
◇神奈川県伊勢原市大山355
◇小田急線「伊勢原駅」大山ケーブル駅行バス30分
◇東名「厚木IC」「中井IC」約30分
◇小田急厚木道路「伊勢原IC」約20分
◇公式サイト:https://www.afuri.or.jp

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

明治の神仏分離令によって、理不尽な処遇を受けたとあります。仏教による法力が強かったのでしょう。全国各地の宗教法人の中に「権現様」を祀り、仏教色の強い神社が間々あります。神仏混交を繰り返してきた日本の古来からの歴史の片鱗を感じます。
残暑が厳しい季節です。読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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