■7月15日「仙台、塩竈みなと祭」です。■
「塩竈みなと祭(しおがま みなとまつり)」は、厳島神社の「管絃祭」、貴船神社の「貴船まつり」とあわせて「日本三大船祭り」とされています。
毎年7月第3月曜日(海の日)に行なわれている祭りは、港町として栄える塩竈の経済発展と、戦後の疲弊した市民の元気回復を祈願して昭和23年(1948)から始まりました。
東北鎮護・陸奥国一宮「塩竈神社」は、全国にある塩竈神社(又は塩釜神社と表記)の総本社で、主祭神に「塩土老翁神(しおつちおじのかみ)」を祀り、「武甕槌命(たけみかづちのかみ)」「経津主神(ふつぬしのかみ)」を祀ります。明治時代に、式内社の「志波彦神社(しわひこじんじゃ)」が境内に遷座。
「塩土老翁神」は、塩竈明神(しおがまみょうじん)とも。海や塩の神で、釣り針を失くして悲嘆に暮れる山幸彦を導いたり、神武東征の折りには「東に良い土地がある」と言ったことから、神武天皇は東征を決意したと伝わります。航海安全・交通安全の神徳を持つとされています。
平安時代初期、嵯峨天皇の御代には厚い祭祀料を授かっていたことが知られます。奈良時代国府と鎮守府を兼ねた「多賀城」の精神的支えとなって信仰されました。武家社会では平泉の藤原氏、鎌倉幕府の留守職・伊沢氏、特に伊達氏の崇敬厚く、歴代藩主は大神主として務めました。現在の社殿は、伊達家四代・綱村公~五代・吉村公に渡り9年の歳月をかけて、宝永元年(1704)に竣工されたものです。
鹽竈神社境内の「シオガマザクラ」という重要な桜の一種は、毎年メディアに取り上げられるほど有名。
塩竈みなと祭のメインイベントは「神輿海上渡御(みこしかいじょうとぎょ)」で、鹽竈神社と志波彦神社より神輿を繰り出し、市内を練り歩いた後に、塩竈港に待つ「龍鳳丸」「鳳凰丸」の二隻の御座船に乗り入れて海上を巡幸します。
海上では百隻を超える漁船が大漁旗を掲げて御座船を追随。太鼓や笛などを鳴らしながら囃します。市内では「よしこの鹽竈」「塩竈甚句」などのパレードや、花火大会も行なわれます。
鹽竈神社(しおがまじんじゃ)
◇宮城県塩竈市一森山1-1
◇公式サイト:http://www.shiogamajinja.jp
◆最新情報は塩竈市観光物産協会サイトへ:https://kankoubussan.shiogama.miyagi.jp
◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆
令和になってから、線状降水帯の影響で土砂災害に冠水被害です。思い起こすと塩竈市は東日本大震災のひどい被災地です。東日本大震災が発生した平成23年も小規模ながら「みなと祭り」を開催し、人々の復興への思いを鼓舞しました。被災した塩釜港は既に復旧していて、今年は沢山の僚船が海上をパレードする壮観な「みなと祭」を見られるまでに復興しました。
お出かけの際には、熱射病対策に帽子と水分を忘れずにお持ちください。
皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白